韓国Samsung Electronicsが、カナダBlackBerryに対し買収提案を行ったと英Reutersが現地時間2015年1月14日に報じた。Reutersが入手した文書や関係筋の話で明らかになったという。

 それによると、SamsungとBlackBerryの幹部は前週、買収取引について協議するために会合を開いた。Samsungの狙いはBlackBerryが持つ一連の特許資産。提示額は1株当たり13.35ドル~15.49ドルで、総額は最大75億ドル。これはBlackBerryの現在の株価に38%~60%のプレミアムを乗せた水準という。

 一方、米Bloomberg米CNBCなどは、BlackBerryがReutersの報道を否定したと、伝えている。「Samsungが買収提案をしたという報道があったことは認識している。だが、この件に関して我々はSamsungと協議を行っていない」と述べた。ただし同社は、買収提案の有無ついては明らかにしなかったという。

 カナダのGlobe and Mail紙によると、BlackBerryは過去数カ月の間にいくつかの買収提案を断っている。取締役会と筆頭株主は、同社の再建計画が買収提案よりも株主価値をもたらすと考えているという。

 なお、SamsungとBlackBerryは昨年、モバイル端末向けセキュリティソリューションに関して提携した。これにより、両社は、SamsungのBYODソリューション「Samsung KNOX」とBlackBerryのサーバーソフト「BlackBerry Enterprise Server(BES)12」を連携させた(関連記事:BlackBerryとSamsung、Galaxy端末向けセキュリティで提携)。これはビジネスユーザーに注力し、持続可能な売り上げ増、利益増を目指すJohn Chen会長兼CEO(最高経営責任者)の戦略の一環だと、Bloombergは伝えている。