イーセクターは2015年1月13日、VPN装置などのネットワーク機器を使うことなくサーバー機へのVPN(バーチャルプライベートネットワーク)接続ができるクラウド型のVPNサービス「SCRAINS」()を販売開始した。SCRAINSが2014年9月から提供しているサービスを、イーセクターのクラウドサービスメニュー「ESECTOR CLOUD」の一つとして扱う。

図●SCRAINSの概要(出典:イーセクター)
図●SCRAINSの概要(出典:イーセクター)
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 SCRAINSは、専用のエージェントソフトを導入したコンピュータ同士の暗号化通信を仲介するクラウド型のVPNサービスである。これを使うと、遠隔拠点のパソコンから本社の社内ファイルサーバーにアクセスするというように、プライベートIPアドレスを持った2台のコンピュータ同士が、クラウドを介して通信できるようになる。暗号化(AES 256、鍵交換はRSA)は、2台のコンピュータ間で直接行う。

 仕組みは、エージェントからクラウドにログインしてコネクションを張った状態で、エージェント同士の通信を仲介するというもの。基本的な使い方として、サーバー機は、常時ログインした状態(クラウドとの間でコネクションを張った状態)で運用する。サーバーにアクセスするクライアントPCは、VPN接続が必要なタイミングで、その都度エージェントからクラウドにログインしてサーバーと通信する。通信先となるサーバー機は、IPアドレスで指定する。

 VPN接続に加え、VPN接続した上でWAN高速化の機能も利用できる。遅延時間が大きい遠隔地同士の通信や、パケットロスが大きいネットワーク環境などにおいて、高速に通信できるとしている。

 価格(税別)は、エージェントのインストール数が5台の最小構成で年額3万円(エージェント1台当たり月額500円相当)。