写真●メインフレーム「z13」
写真●メインフレーム「z13」
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 米IBMは現地時間2015年1月13日、メインフレーム「System z」シリーズの新製品「z13」を発表した(写真)。処理速度や安全性の向上を図り、モバイル端末を利用した無数のトランザクションに対応するとしている。

 IBMによると、z13は同社が10億ドルを投じ、5年の歳月をかけて開発した。500以上の新たな特許技術を採用し、60社以上の顧客と協力した。

 1日当たり25億件のトランザクション処理に対応する。あらゆるモバイルトランザクションをリアルタイムで暗号化してデータを保護し、安定した高速レスポンスによって顧客体験を向上できるとしている。

 分析機能を組み込んでおり、すべてのトランザクションに関してリアルタイムの洞察を提供する。これにより、即時に詐欺トランザクションを特定することが可能という。

 モバイルアプリケーションの急速な普及により、消費者はオンラインバンキングや決済、オンラインショッピングなどにおいて、高速でシームレスなモバイルトランザクションをいっそう望むようになっている。z13はこうしたニーズに対応するとしている。

 IBMはハードウエア事業の低迷が続いており、2014年第3四半期(7~9月)決算ではシステム&テクノロジー部門が前年同期比15%減収し、System zの売り上げは同35%減少した(関連記事:IBMの7~9月期決算は大幅減益、半導体事業をGLOBALFOUNDRIESに譲渡)。しかしIBMにとって、メインフレーム事業の維持は戦略上欠かせない。メインフレームシステムの売上高は同社総売上高のわずか3%程度だが、メインフレーム関連のソフトウエア、サービス、ストレージを含めると、総売上高の25%、営業利益の35%を占めるという(米New York Timesの報道)。

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