中国の電子商取引大手Alibaba Group(阿里巴巴集団)は、違法な製品やリコール対象製品の米国への輸出を防ぐ措置について、米消費者製品安全委員会(CPSC:Consumer Product Safety Commission)と合意した。CPSCのElliot Kaye委員長が、香港で開催中の玩具/ゲーム業界イベントの会場で現地時間2015年1月13日に明らかにした。

 この合意の下、AlibabaはCPSCがAlibabaと直接連絡できる通信手段を設ける。CPSCの要請に応じ速やかに対策を講じ、米国のバイヤーがAlibabaの電子商取引プラットフォーム上で対象製品にアクセスできないようにする。これにより違法性や危険性のある製品が、無防備な消費者の手元に届くことがないようにするという。また米国の輸入業者などが米国の製品安全基準に関する情報にアクセスできる仕組みを、AlibabaのB2Bプラットフォーム上に設けるという。

 米Wall Street Journalなどによると、米国が輸入する玩具は、金額ベースにして9割が中国製。また昨年1年間におけるAlibabaのアクティブバイヤーの数は3億超に上る。その大半は中国のバイヤーだが、米国をはじめとする海外のバイヤーも増え続けている。

 CPSCは、米国で販売禁止になった強力磁石を使った玩具など、5~15種類のリコール/違法製品リストを用意しており、これら製品の米国への輸出防止措置をAlibabaに求める予定。米New York Timesは、このリストは今後拡大していくと伝えている。

[米消費者製品安全委員会(CPSC)の発表資料]