インフォアジャパンは2015年1月13日、製造業に特化したクラウドERP（統合基幹業務システム）スイート「Infor CloudSuite Industrial」の国内提供を開始した。既存の中堅製造業向けオンプレミス型ERP「SyteLine」にパブリッククラウド化のための機能を追加し、AWS（Amazon Web Services）をプラットフォームとしてSaaS型で提供する。月額利用料金は1ユーザー当たり約1万5000円（税別）。
同社では、AWSを基盤としたクラウドアプリケーション群を「Infor CloudSuite」のブランド名称で、2014年から提供している。Infor CloudSuiteには、（1）業界に特化したERPソリューションスイート、（2）主要ERPのSaaS版（Infor CloudSuite LN、Infor CloudSuite SyteLine、Infor CloudSuite M3）、（3）分析機能や拡張機能をSaaSで提供するもの（Info Analyticsなど）の3パターンのサービスが含まれる。今回発表したInfor CloudSuite Industrialは、（1）の業界に特化したERPソリューションスイートの国内第2弾となるもの（第1弾として、2014年12月19日に自動車業界向けERP「Infor CloudSuite Automotive」をリリースしている）。
Infor CloudSuite Industrialは、部品サプライヤや生産機械メーカーなど、B to Bの組立製造業向けの計画・製造・物流・会計関連機能を統合している。インフォアジャパン 常務執行役員 ビジネスコンサルティング本部の植木貴三本部長（写真1）は、「組立製造業には、部品を連続生産するケースから、単一製品を設計・製造するケースまで、幅広い生産方式がある。Infor CloudSuite Industrialは、SyteLineの特徴である柔軟性を踏襲し、受注生産から見込生産、プロセス生産まで多様な生産方式に対応する」と説明した。また、主要ターゲットは「日本企業の海外拠点」（植木本部長）としており、多言語・多通貨に対応した会計管理機能を備える。
同社では、ERPソリューションスイートの第3弾として、中小企業・非製造業向けERP「Infor CloudSuite Business」を1月後半にリリースする。さらに、ファッション業界向けERP「Infor CloudSuite Fashion」、飲食業界向けERP「Infor CloudSuite Food & Beverage」も今後国内提供する予定だ。
インフォアジャパン 尾羽沢功 代表取締役社長（写真2）は、「ERPソリューションスイートを今後2年間で100社へ新規導入することが目標。2016年度（同社の会計年度で2015年5月～2016年4月）のうちに、全売り上げにおけるクラウド製品の売り上げを25％にする」とした。同社はクラウド製品の提供開始に合わせて、社内にクラウドビジネス専門チーム「クラウドソリューション戦略部門」を新設。同部門が、市場開拓から販売戦略立案、導入サポートまでを一気通貫で担う。
