写真1●AmiVoice Front WT01の外観
写真1●AmiVoice Front WT01の外観
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 アドバンスト・メディアは2015年1月13日、騒々しい工場のような高騒音環境下でも音声認識や通話を可能としたウエアラブル型のマイク/スピーカー一体型デバイス「AmiVoice Front WT01」(写真1)を開発したと発表した。1月14日から数量限定で、スマートデバイスのアプリケーション開発者向けにSDK(ソフトウエア開発キット)を販売する(デバイス本体は、販売または貸し出し)。本体の大量生産と販売は2015年8月を予定する。価格はSDKが100万円程度、本体が3万円前後になる模様。

 AmiVoice Front WT01は、高性能マイクによって高騒音環境下でも音声を正しく拾えるようにしたBluetooth接続型のマイク/スピーカー装置(写真2)。バッジ型のウエアラブル端末であり、首からストラップでぶら下げたり、胸ポケットにクリップで装着したりしてハンズフリー型で利用する。Bluetooth接続したスマートフォン上で音声認識を活用したアプリケーションを利用することを想定している。本体には、ボタン操作のための多機能ボタンも備える。

写真2●AmiVoice Front WT01の利用シーンの例
写真2●AmiVoice Front WT01の利用シーンの例
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 背景には、ハンズフリーで使えて高騒音環境下でも音声認識が可能なデバイスがない、という状況があるという。スマートフォンは画面を見ながら手で操作する必要があるため、ハンズフリーの需要に適さない。一方、これまでの眼鏡型や時計型のウエアラブルデバイスは内蔵マイクの耐騒音性能が低く、騒音環境下で音声を認識することが難しかったという。

高指向性マイクとノイズキャンセルで耐騒音性を確保

 AmiVoice Front WT01では、高騒音環境下でも音声を認識できるように、二つのマイクを使って指向性を高めたマイクアレイと、ノイズキャンセル機能を搭載した。別途ヘッドセット型のマイクを接続した場合は、最大100デジベルの耐騒音性能と、最大10メートル毎秒の耐風性能を発揮するという。屋外など雨天での作業にも対応できるIPX4相当の防水性能も備えた。これらにより、今まで音声認識が不可能とされてきた過酷な環境での利用を見込む。

 スマートフォン(iOS/Android)上で音声認識アプリケーションを開発するためのSDK(ソフトウエア開発キット)も用意する。既存のSDKをベースに、ボタン操作を活用するためのAPIやサンプルのソースコードなど、AmiVoice Front WT01向けに特化した開発機能を付与した。また、AmiVoice Front WT01の販売開始に合わせて、AmiVoice Front WT01を無線機(インカム)の代わりとして利用できるようにするクラウド型のIP通話サービスも開始する予定である。

 外形寸法は幅38×高さ100×奥行き19ミリメートルで、重さは56グラム。イヤホン/ヘッドセットマイク装着用のジャックと、充電用のMicroUSBポートを備える。充電時間は2~3時間で、連続動作時間は8時間以上、連続待機時間は100時間以上。