米中央軍の「Twitter」と「YouTube」のアカウントが現地時間2015年1月12日に、イスラム過激派組織「イスラム国」の同調者を名乗るハッカー集団にハッキングされたと、複数の海外メディア(米Wall Street Journal英Reutersなど)が報じている。

 米中央軍は、米軍の中東などでの活動を総括する組織。公式Twitterアカウントのプロフィールが、ターバンを巻いた人物と「CyberCaliphate」の文字が入った画像に差し替えられ、米軍高官の電話番号や機密情報だとするドキュメントも公開された。「アラーの名において、CyberCaliphateはサイバージハードを続ける」「米軍兵たちよ、気をつけろ。我々が狙っている。ISIS」など複数のメッセージが投稿され、YouTubeではイスラム国と関連すると見られる動画が公開された。

 このハッキングを受け、米中央軍は英語、アラビア語、ロシア語、パシュト語などで情報を発信する6つのTwitterアカウントを閉鎖した。

 米当局によると、ネットワークが不正侵入を受けた形跡はなく、機密情報の流出もないという。現在調査中だが、ハッカー集団が実際にイスラム国と関係があるかは疑問だとしており、米国防総省は「悪ふざけかいたずら」と見ている。

 また、投稿されたドキュメントは、オンライン検索で簡単に手に入るWeb公開済みのものなどであり、機密情報が含まれている様子はない模様だ。

 ハッキングは、システム侵害によるものではなく、脆弱なパスワードを推測する手口によって行われたと見られる。