画面1●米Evernoteが提供する「Scannable」アプリの画面。書類の部分を自動認識して切り抜いてくれる
画面1●米Evernoteが提供する「Scannable」アプリの画面。書類の部分を自動認識して切り抜いてくれる
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 米Evernoteは2015年1月9日、iPhone/iPad用スキャナーアプリ「Evernote Scannable」の提供を始めた。App Storeから無料でダウンロードできる。

 Scannableアプリを使えば、iPhone/iPadのカメラを使って、書類や名刺などをスムーズにスキャンできる。書類にカメラを向けると、ファインダー画面の中から自動的に書類の部分を認識して青くハイライトされる(画面1)。

 しばらく待つとそのまま撮影され、切り抜きや色調整処理も自動的に行われる。アプリを使わずに書類を撮影するのに比べて位置合わせや切り抜きなどの手間が省ける。

 アプリでスキャンした書類は、Evernoteのクラウド文書保存サービスにアップロードして利用できる。文字は同社のOCR(光学文字読み取り機能)でデジタル化され、検索対象にできる。SNSで共有したりメールで送信したりすることも可能だ(画面2)。

画面2●スキャンした『日経コンピュータ』の表紙をEvernoteに保存したところ。「決断」というキーワードで検索するとヒットした
画面2●スキャンした『日経コンピュータ』の表紙をEvernoteに保存したところ。「決断」というキーワードで検索するとヒットした
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 名刺をスキャンし、アプリが「名刺のようだ」と判断した場合は、社名や電話番号、メールアドレスなどが自動認識され、OCR機能で文字が電子化される。ただし、筆者が試したところ、名刺をスキャンしているのに普通の書類として認識されたり、文字を誤認識したりするケースがあった(画面3画面4)。

画面3●名刺のスキャンにも使える
画面3●名刺のスキャンにも使える
画面4●名刺として連絡先を自動認識をしたところ。電話番号などは正確だが、氏名が「日経 Bp社」となったり、URLが一部間違ったりしている
画面4●名刺として連絡先を自動認識をしたところ。電話番号などは正確だが、氏名が「日経 Bp社」となったり、URLが一部間違ったりしている

 Evernote社は、「Andoroid版Scannableアプリの開発についてはまだ検討中で、具体的な予定は決まっていない」としている。

 スマートフォン/タブレット向けのスキャナーアプリでは米INTSIG Informationの「CamScanner」が有力(関連記事:スマホのカメラで帳票やメモを何でも電子化する「CamScanner」)。名刺認識アプリではINTSIGの「CamCard」(関連記事:名刺管理の悩みもスマホで解決「CamCard」)や、Sansanの「Eight」(PC Onlineの関連記事:入力作業は無料で人任せ!撮るだけでらくらく名刺管理)などが先行しており、Scannableはこれらと競合する。

米Evernoteの発表資料
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