写真1●セイコーエプソンの碓井稔代表取締役社長
写真1●セイコーエプソンの碓井稔代表取締役社長
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写真2●医療機器としての活用を期待する「PULSENSE」
写真2●医療機器としての活用を期待する「PULSENSE」
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 米国ラスベガスで1月6日(現地時間)に開幕した世界最大の家電の見本市「2015 International CES(CES 2015)」。セイコーエプソンが1月7日に同展示会場で開いた報道関係者向けの説明会で、碓井稔代表取締役社長はウエアラブル関連の事業戦略を明らかにした(写真1)。

 碓井社長は2015年以降のウエアラブル市場は「ニーズが顕在化するフェーズに入る」と分析。2025年には5000億円規模に市場が成長するとの見方を示し、エプソンとしては全体の20%のシェアである1000億円の売上を目指すとした。

 今後注力するのは医療現場での普及。血圧や心拍数など計測できるリストバンド型のウエアラブル端末を、医療機器として申請していることを明らかにした。「精密に身体情報を取得できるウエアラブル製品は医療用途に適する」(碓井社長)。同社のメガネ型の端末「MOVERIO」が、外科手術の現場で使われている事例なども紹介した。

 同社の2014年度のウエアラブル関連製品の売上は10~20億円。プリンターやプロジェクターといった主力事業の売上に比べて「現在は微々たるもの」(碓井社長)だが、「プリンターやプロジェクター中心の企業といったイメージを払拭したい」との意気込みを語った。

 CES2015のブースでは、MOVERIOに加えて、脈拍や運動の強弱を計測できるリストバンド型の「PULSENSE」(写真2)、ゴルフスイングの動きをセンサーで可視化する「M-Tracer」といった、同社のウエアラブル製品を展示。MOVERIOを使ったゲーム感覚のアプリケーションやスイング可視化のデモを実施していた。