写真●西日本旅客鉄道(JR西日本)が新幹線の乗務員に導入するiPadの活用イメージ
写真●西日本旅客鉄道(JR西日本)が新幹線の乗務員に導入するiPadの活用イメージ

 西日本旅客鉄道(JR西日本)は、2015年1月13日から同社が運営する新幹線の運転士・車掌・客室乗務員に米アップルのタブレット端末「iPad」「iPad mini」を合計約1200台配備すると発表した(写真)。同日から山陽新幹線で利用を開始する。3月14日に長野・金沢駅間が延伸開業する北陸新幹線でも、開業時から利用する。

 移動が少ない運転士はiPad、車内を動き回る車掌・客室乗務員はiPad miniを携帯する。最新の運行情報をリアルタイムで取得・表示し、乗客への情報提供に活用する。簡易翻訳ツールなどを使って外国人の乗客への案内をスムーズにする用途も想定している。

 運転士や車掌が車両の内外で異常箇所を見つけた場合は、iPad内蔵のカメラで撮影・送信し、迅速な補修に生かす。法令や社内規程で携帯を義務づけられた紙のマニュアル類を電子化し、軽量化したり規程変更時の差し替えを容易にしたりする狙いもある。持ち歩く書類の重さは運転士の場合で約3キログラムから800グラムへ、車掌で約2キログラムから700グラムへと軽量化できるという。

 鉄道業界では、既に東日本旅客鉄道(JR東日本、関連記事:JR東日本がiPadを1万4000台導入、メンテナンスや建設部門に)などがiPadの活用を推進している。航空業界では、日本航空(JAL、関連記事:JALの客室乗務員が「笑顔」に専念、タブレット6000台の威力)や全日空(ANA、関連記事:客室乗務員全員にiPadを配ったわけ)が乗務員にiPadを配布している。