NECは2015年1月6日、ファイルの暗号化とアクセス権の認証によって企業情報の漏えいを防ぐソフト「File Security Solution」()を発表、同日販売を開始した。社内で利用するファイルを自動的に暗号化するほか、社外へ安全にファイルを持ち出すための仕組みを備える。価格(税別)は、100ユーザーで年額300万円、500ユーザーで年額1300万円、1000ユーザーで年額2100万円。

図●File Security Solutionの概要(出典:NEC)
図●File Security Solutionの概要(出典:NEC)
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 File Security Solutionは、ファイルの暗号化によって情報の漏えいを防ぐソフトである。社内でファイルをパソコンやファイルサーバーに保存したタイミングで、自動的にファイルを暗号化する仕組み。暗号化してもファイル名は変わらない。AD(Active Directory)の認証を経たパソコンであれば、暗号化されていることを意識することなく、通常通りの手順でファイルを開いて編集/保存できる。

 社員のクライアントPC(Windows)に専用のソフトウエアをインストールした状態で利用する。これにより、暗号化済みのExcelファイルをExcelで開いたり、暗号化済みのWordファイルをWordで開いたりできるようになる。この裏で、クライアントにインストールした専用のソフトウエアが、暗号化済みのファイルを復号する。

ファイルの外部への持ち出しも可能、端末情報で認証

 ファイルを社外に持ち出して運用するための仕組みも備える。申請ワークフローを経て持ち出しを許可されたユーザーは、送られてくるメールに記されたURLから、専用のファイル閲覧ソフト「Viewer」をダウンロードしてインストールする。この際に、認証情報として社外PCの端末情報をサーバー側に登録する。その後、暗号化ファイルをViewerで閲覧する際に、その都度サーバーに端末情報を送信して認証を受ける。

 外部持ち出し時には端末情報で認証する仕組みのため、暗号化済みファイルとViewerが第三者に漏えいしても、パソコンごと紛失していなければ情報の漏えいを防げる。異なる端末上でViewerを動作させた場合は、認証サーバーからViewerにファイルの削除要求を出せる。こうして、暗号化済みファイルを第三者のパソコンから消去できる。

 Viewerは、社内のパソコンにインストールするソフトとは異なり、UIを持っている。Viewerを介して暗号化済みファイルを開くと、ファイルを開くためのアプリケーション(ExcelやWordなど)が別途立ち上がる。