図●CypherGuard Leashの概要(出典:サイファー・テック)
図●CypherGuard Leashの概要(出典:サイファー・テック)
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 サイファー・テックは2015年1月6日、暗号化したPDF文書の閲覧権限や閲覧期限を管理するためのSaaS型のクラウドサービス「CypherGuard PDF」をベースとした派生製品で、退職者や契約完了企業に対して閲覧権限を解除できるようにした製品「CypherGuard Leash」()を発表、同日提供を開始した。価格(税別)は、初期費用が20万円、利用料が50ユーザーまでで年額90万円。

 機能のベースとなるCypherGuard PDFは、PDF文書を暗号化と認証によって安全に配布できるようにするSaaS型の文書管理サーバー(関連記事:サイファー・テックが暗号化PDF閲覧管理サービスを強化、iOS版のビューアを追加)。認証サーバーで認証を経たユーザーだけが、復号鍵を入手して閲覧できる仕組みである。ただし、CypherGuard PDFの場合、最初の1回だけ認証すればよく、認証時に使っていたクライアント端末の上であれば、文書の閲覧期日が切れていない限り、端末に配布済みの復号鍵を使っていつでもPDFを復号できていた。

 これに対して、今回のCypherGuard Leashは、PDFを閲覧するたびに、その都度インターネットを介して認証サーバーに接続して認証を受ける仕組みに変更した。これによりインターネットに接続されていないオフライン環境ではPDF文書を閲覧できないようになったが、閲覧権限を認証サーバー側でいつでも変更できるようになった。つまり、元々は閲覧権限を持っていたが退職などによって権限を失った人に対して、閲覧権限を解除できるようになった。

 CypherGuardシリーズには、ユーザーID/パスワードの代わりに企業のグローバルIPアドレスで認証を実施する派生製品「CypherGuard社外秘PDF」(初期費用が20万円、利用料が50ユーザーまでで年額60万円)もある(関連記事:サイファー・テック、社員だけが閲覧できる暗号化PDFサービスを開始)。こちらもCypherGuard Leashのようにユーザー企業での情報漏えい防止の用途に適した製品だが、IPアドレスによる認証を経て復号鍵を入手した後は、再度の認証を受けることなく配布済みの復号鍵を使ってPDF文書を閲覧できるという違いがある。

 CypherGuard Leashの利用環境は、OSがWindows Vista/7/8/8.1で、PDF閲覧ソフトとしてAdobe Reader X以上が必要。サーバー(クラウドサービス)に接続するためのインターネット接続環境が必要。