シャープは、8K(8K×4K、7680画素×4320画素)の液晶パネルを利用しなくても「8K相当の精細感」(同社)を得られる新しいディスプレー技術を開発した。同社はこれを「Beyond 4K」と呼ぶ。
2015年1月6~9日まで米国・ラスベガスで開催される「2015 International CES」に出展する予定で、開催に先駆けて開かれたプレスカンファレンスで明らかにした。2015年度中の製品化を目指しており、価格に関しては、同社が販売中の「4Kディスプレーの上位機種並みにしたい」と意気込む。
8K相当の映像を表示するために、大きく2つの技術を投入した。まず横(水平)方向の解像度を高めるために、1画素当たりに輝度ピークを2つ設ける技術を導入した。サブピクセルに一般的なRGB(赤色、緑色、青色)の3色に加えて、黄色も追加。これにより、緑色と黄色のサブピクセルで輝度ピークを得られるようにした。
もう1つは、縦(垂直)方向の解像度を高めるために導入した「マルチピクセルドライブ(MPD)」技術である。1つの画素を上下別の電圧で駆動する。この技術は、もともと視野角を広げるために使われていたが、今回、「解像度を高めるために適用した」(同社関係者)という。
こうした技術の投入でサブピクセル数を、一般的な4Kテレビの2400万から6600万に増やしたという。
プレスカンファレンスでは、2015年中に発売予定の4Kテレビを紹介。中でも同社が特徴的と紹介したのは、厚さが0.5インチ(1.27cm)以下の薄型テレビである。画面サイズは70型代という。