米Amazon.comは現地時間2015年1月5日、同社と提携する外部小売業者の2014年における商品販売個数が20億個を超え、年間販売個数の記録を更新したと発表した。

 同社と提携している小売業者は世界全体で200万社以上あり、これらの業者の商品販売個数は、Amazonの商品販売全体の40%以上を占めたという。Amazonは外部小売業者の販売が伸びた理由として、商品の保管と配送などをAmazonが代行する「Fulfillment by Amazon(FBA)」の利用が増えたことを挙げている。2014年は、FBA利用業者の数が前年に比べ65%増えた。また同年のホリデーシーズンにFBAを介した商品配送個数は、前年同期比で50%増えたとしている。

 Amazonと提携している小売業者は世界100カ国以上におり、これら業者の商品は世界185カ国の顧客に販売されている。Amazonによると、とりわけ中国とインドでは小売業者の海外展開が急速に伸びている。

 例えば、中国本土と香港の小売業者は2014年に海外向け販売が80%増えた。インドサイト(Amazon.in)ではFBAを利用する商品の数が前年の3倍以上になったという(関連記事:Amazon.com、インドのeコマース事業拡大で20億ドルを追加投資)。

  米Wall Street Journalによると、Amazonは外部小売業者の取り込みに力を入れている。その理由は、同社自らが商品を仕入れて販売するよりも高い利益が見込めるため。一方でより低コストで商品アイテムを増やすことができ、外部業者の活用はAmazonにとってメリットが大きいという。

 米CNETは、Amazonは昨年外部業者の取り込みに向け2つの施策を講じたと伝えている。1つは、モバイル端末で注文への対応や在庫の管理が行えるiOS/Android用アプリ「Amazon Seller」の提供。もう1つは、外部サイトがAmazonの決済サービスを利用できる「Login and Pay with Amazon」で、売り上げが伸びなかった場合に手数料を返還する「Growth Guarantee」制度の導入。
 Login and Pay with Amazonは、顧客がAmazonアカウントを使って外部サービスにログインし、Amazonに登録したクレジットカードで決済できるサービス。同社によると、2014年のホリデーシーズン中にこのサービスで処理された注文の数は、前年の3倍以上に上ったという(関連記事:Amazon.com、外部Webサイト向け決済サービスに定期購入機能を追加)。

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