画面●システム障害を知らせる大阪市のWebページ
画面●システム障害を知らせる大阪市のWebページ
[画像のクリックで拡大表示]

 大阪市は2015年1月5日、区役所や市税事務所などにおける証明書発行システムで障害が発生したと発表した(画面)。午前9時の開庁直後から証明書の印刷用サーバーで遅延が発生。発行窓口に設置された約3200端末のすべてで、証明書の印刷に通常より時間がかかる状況が起きた。証明書発行を求める市民は、最大で2時間以上待たされる事態になったという。

 昼休み時間帯に、印刷用サーバーのミドルウエアの設定を暫定的に変更したところ、遅延は解消した。午後2時ごろまでに通常通り証明書を発行できる状況に戻った。

 システム障害の影響が出たのは住民票の写しや税関係証明書、生活保護医療券などの発行業務である。戸籍と国民健康保険、介護保険関連の証明書発行システムには影響がなかった。

 1月5日夜の時点では、詳しい原因は特定できていない。大阪市総務局行政部IT統括課は「年明けから『基幹系システム統合基盤』が稼働したが、何らかの原因でこの新システムの印刷サーバーの処理能力が不足したようだ」と説明する。

 大阪市は、住民サービス用システムを共通のサーバーソフトウエア基盤に載せるための「基幹系システム統合基盤」の構築を2011年度から進めてきた。老朽化したシステムの運用費削減が目的で、2014年度までの投資額は約5億円である。

 2015年初に、「住民基本台帳システム」「税務事務システム」と生活保護などを管理する「総合福祉システム」の3システムを統合基盤へと移行した。今回遅延が発生したのは、この3システムに関連する証明書発行業務である。「戸籍システム」「国民健康保険システム」「介護保険システム」の3システムについては、2017年1月の移行を予定しており、今回は影響を免れた。

大阪市の発表資料