図●ウォークスルー顔認証システムの概要(出典:セコム)
図●ウォークスルー顔認証システムの概要(出典:セコム)
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写真●宜野座IDCではデータセンターの出入管理に利用(出典:セコム)
写真●宜野座IDCではデータセンターの出入管理に利用(出典:セコム)
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 セコムは2014年12月26日、施設の入場者を顔認証によって判別するためのシステムで、認証のために一時停止する必要がなく、歩いている人物をそのまま認証できる「ウォークスルー顔認証システム」()を販売開始したと発表した。これまで社内などで試験運用してきたシステムであり、パッケージ化して外販するのは初めて。

 発売したのは2014年10月。10月に第一号ユーザーとしてNTTビジネスソリューションズが運営するデータセンター「宜野座IDC」に導入したという(写真)。同システムが対象としている認証ユーザー数は200人から2500人程度で、価格(税別)はシステム一式と導入サービスを含んで300万円から400万円程度。標準的な構成で毎分約30人の歩行者を認証できる。

 ウォークスルー顔認証システムは、顔画像を利用して本人を認証する方式でありながら、カメラに顔を向けて一時停止する必要がない。カメラの前を通り過ぎるだけで認証を済ませられる。データセンターなどの施設の入り口や廊下にカメラを設置して運用する。認証時に電気錠付きの扉を開く使い方ができるほか、カメラ画像を通行記録として保存しておいて後から参照できる。

 特徴の一つは、正面から撮影した1枚の顔写真を登録するだけで使えること。1枚の顔写真から立体の顔形状を推定し、様々な方向から見た31パターンの顔画像を作る。認証時には、これらをカメラ画像と比較して一致するか調べる。顔画像や3Dモデルを手動で調整しなくてよいという。