Skeedは2014年12月25日、遠距離でも大容量ファイルを高速に転送できることをうたうファイル転送ソフト「SilverBullet」の製品体系を見直し、これまで提供していなかった100Mビット/秒未満の狭帯域向けライセンス「SilverBullet for File Transfer」を用意した。最低契約帯域は15Mビット/秒で、価格(税別、以下同)は48万円(1クライアント)から。さらに、ユーザー数無制限で利用できるライセンス「SilverBullet Collaborate」も用意した。こちらはC/S(クライアントサーバー)型ではなく、Webブラウザー経由でファイルを共有する形になる。

 SilverBulletは、遅延時間が大きい遠距離においても高速にファイルを転送できることを特徴とした、C/S(クライアントサーバー)型のファイル転送ソフトである(関連記事:Skeedが遠距離ファイル転送ソフトに新版、マルチホーミングを可能に)。送達確認(ACK)のないUDPベースの独自プロトコル「SSBP」(Skeed Silver Bullet Protocol)を利用する。独自に判断したペースでパケットを送信する仕組み。必要以上に転送性能を抑えず、輻そうを起こさない程度に転送レートを自動調整する、としている。

 SilverBulletには、利用可能な帯域に応じて、広帯域向けの製品「SilverBullet for Enterprise」と、狭帯域向けの製品「SilverBullet for File Transfer」がある。従来、狭帯域向け製品の帯域は、100Mビット/秒に限定されており、100Mビット/秒未満の帯域のライセンスは存在しなかった。今回、利用帯域の設定を改め、狭帯域向け製品の帯域を、15Mビット/秒、25Mビット/秒、50Mビット/秒、---の3段階とした。これに合わせ、100Mビット/秒の契約は広帯域向け製品がカバーすることになった。

 今回さらに、ユーザー数無制限のライセンス(SilverBullet Collaborate)も用意した()。これはWebアプリケーションであり、通常のSilverBulletとは異なりC/S型のソフトウエア(SSBPクライアントソフトとSSBPサーバーソフトのペア)を使わない。SilverBullet CollaborateのサーバーソフトがSSBPサーバーとなり、SSBPクライアントソフトの代わりにWebブラウザーを利用する。WebブラウザーからSSBPプロトコルを使えるように、SSBPクライアント機能をJava Web Start型で実装している。このSilverBullet Collaborateの価格は、91万円から。

図●SilverBullet Collaborateの利用イメージ(出典:Skeed)
図●SilverBullet Collaborateの利用イメージ(出典:Skeed)
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 WebブラウザーからSSBPを使えるようにした製品としては、今回のSilverBullet Collaborateのほかにも、ファイル受け渡しサーバーソフトの「Silver Bullet for File Messenger」がある(関連記事:SkeedがWeb型ファイル受け渡しソフトを強化、連携用APIを公開)。SilverBullet Collaborateと比べた主な違いは、ファイル便としての用途に特化し、受信者に対してダウンロード用のURLをメールで通知する仕組みを採用していること、など。