写真●SPEが映画ファン向けサービス「Kernel」などと共同で開設した専用サイトの画面
写真●SPEが映画ファン向けサービス「Kernel」などと共同で開設した専用サイトの画面
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 米Googleと米Microsoftは現地時間2014年12月24日、ソニー傘下の米国法人Sony Pictures Entertainment(SPE)が制作した北朝鮮題材のコメディー映画「The Interview」を、自社サービスを通じてオンライン配信すると発表した。

 米国のみ対象に、太平洋標準時間12月24日午前10時より、Googleの「Google Play」と「YouTube」、Microsoftの「Xbox Video」で同作品のダウンロード販売とレンタル配信を行う。SPEが映画ファン向けサービス「Kernel」などと共同で開設した専用サイト(www.seetheinterview.com)でもレンタル配信する(写真)。価格は、ダウンロード購入が14.99ドル、レンタルが5.99ドル。

 The Interviewは12月25日に公開する計画だったが、同作品を上映予定の劇場に「9.11を思い出せ」との文言を含む脅迫メールがハッカー集団から送られたことを受け、SPEは12月17日に同作品の公開中止を決定(関連記事:ソニーピクチャーズ、問題の映画「The Interview」を公開中止)。 Obama米大統領は12月21日放送の米CNNのインタビューで、SPEの決定を「間違い」と批判した(関連記事:米大統領がサイバー攻撃への北関与を断定、テロ支援国家再指定を検討)。

 しかしSPEは12月23日、公開中止の方針を覆し、一部映画館でもとの予定通り12月25日に公開することを明らかにした。その際、オンライン配信の可能性についても噂が流れていた(関連記事:ソニー、北朝鮮題材映画の公開中止を撤回、一部劇場で上映へ)。

 Googleによると、SPEは12月17日以降、The Interviewのオンライン配信についてGoogleなど多数の企業に接触していた。「これまでの経緯を考えると、安全面での問題が最大の懸案事項だったが、SPEとGoogleはあらゆる問題について協議した結果、一握りの人間が他国の言論の自由を制限するのを傍観するわけにはいかないとの見解で一致した」(GoogleのDavid Drummond最高法務責任者)という。

 なお、SPEは米Appleの「iTunes Store」と米Amazon.comを介したオンライン配信に向けても交渉したが、2社ともただちに協力する意向は見せなかったという(米Wall Street Journalの報道)。

[発表資料(Googleの公式ブログ)]
[発表資料(Microsoftの公式ブログ)]