写真1●競願時審査基準の審査結果。総務省の資料から
写真1●競願時審査基準の審査結果。総務省の資料から
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 総務省の電波監理審議会は2014年12月19日、第4世代移動通信システム向け3.5GHz帯120MHz幅の割り当てについて、NTTドコモとKDDI/沖縄セルラー電話、ソフトバンクモバイルの3者に割り当てることが適当とする答申を示した。

 総務省は今回の割り当てから、周波数を一体的に運用している事業者に対し、同時に申請できないよう方針を改めている。その結果、周波数を一体的に運用しているソフトバンクモバイルとワイモバイルは同時申請できず、10月28日の申請締め切り日までには、NTTドコモ、KDDI/沖縄セルラー電話、ソフトバンクモバイルの3者が申請した。今回、総務省は割り当て対象の120MHz幅を40MHz幅ずつ3者に割り当てる方針としていたため、無風で携帯大手3社に割り当てられることが確実となっていた(関連記事:総務省がLTE-Advanced向け3.5GHz帯の割り当て案、携帯大手3社が“当確”へ)。

 ただ120MHz幅における3枠の位置、「Low」「Middle」「High」バンドの割り当てについては、NTTドコモが唯一「Low」バンドを第1希望とする一方、KDDI/沖縄セルラー電話、ソフトバンクモバイルは「High」バンドを第1希望として競合していた。

 そのため競願時審査基準に沿って3者の申請内容を審査。結果は、 NTTドコモが13点、ソフトバンクモバイルが4点、KDDI/沖縄セルラー電話が1点と、ソフトバンクモバイルがKDDI/沖縄セルラー電話を上回った(写真1)。最終的にNTTドコモに「Low」、ソフトバンクモバイルに「High」、KDDI/沖縄セルラー電話に「Middle」バンドが割り当てられる形になった。

 KDDI/沖縄セルラー電話の得点が振るわなかった理由は、KDDI/沖縄セルラー電話の申請内容に、最速1Gビット/秒以上の速度を実現可能な「高度特定基地局」の運用開始日の記載が無かった点が大きい(関連記事:携帯大手3社の3.5GHz帯投資計画が判明、サービス開始は2016年初夏以降、投資額は差が出る)。総務省は今回の3.5GHz帯割り当て条件として、認定から2年後の年度末までに、繁華街やターミナルなど特定ひっ迫区域において高度特定基地局の運用を開始するという条件を付けていた。

 今回の認定に当たって総務省は、各社に対して「第4世代移動通信システムによる広範なブロードバンドサービスの普及に努めること」などいくつかの条件を付与している。KDDIには「特定ひっ迫区域にける高度特定基地局の開設の一層の促進に努めること」という特別な条件が、追加で付与される形になった。

 なお各社が計画する3.5GHz帯を使ったサービスの開始日は、KDDI/沖縄セルラー電話が2016年6月30日、NTTドコモの2016年10月、ソフトバンクモバイルの2016年12月の予定。

[報道資料:第4世代移動通信システムの導入のための特定基地局の開設計画の認定