NTTとNTTデータは2014年12月18日、両社の従業員3人がオープンソースソフトウエア(OSS)の分散データ処理ソフトである「Hadoop」やHadoop関連プロジェクトにおける開発の中心メンバーである「コミッタ」に就任したと発表した。コミッタは、プログラムを書き換える権限(コミット権)を持つ開発者のこと。日本企業からHadoopのコミッタを輩出するのは、これが初めてとなる。
米Apacheソフトウエアファウンデーションが開発を主導するHadoopのコミッタに就任したのは、NTTの研究部門であるソフトウェアイノベーションセンタに所属する小沢健史氏(写真1)と、NTTデータ基盤システム事業本部の鯵坂明氏(写真2)。NTTデータ基盤システム事業本部の岩崎正剛氏(写真3)は、Hadoopの周辺ツールで、ノード間の連携状態などを調査するトレーシングツール「HTrace」のコミッタに就任した。
NTTデータ単独で顧客の要望に対応
両社がHadoopのコミッタの輩出を目指したのは、NTTデータのHadoop関連ビジネスを強化するためだ。
NTTデータがHadoopを使ったシステム構築やサポートのビジネスを始めたのは2010年のこと。当初はHadoopのディストリビューション(検証済みパッケージ)を販売する米クラウデラと提携し、顧客からHadoopに対するバグ修正や機能改善などの要望が寄せられた場合は、クラウデラにパッチ開発などを依頼していた。
現在は、NTTデータ自身がHadoopのソースコード開発を手がける「コントリビューター(貢献者)」を10人ほど社内に抱え、顧客の要望にNTTデータが単独で対応する体制を整えている。新たにコミッタも社内に擁することで、「Hadoopの構築サービスやサポートサービスを手がける競合企業に対して、実力で差を付けられるようになる」(NTTデータ 基盤システム事業本部の濱野賢一朗氏)と、もくろむ。