米ホワイトハウスは、ソニー傘下の米国法人Sony Pictures Entertainment(SPE)に対するサイバー攻撃に関して、「相応の対処」を検討している。ホワイトハウスのJosh Earnest報道官が現地時間2014年12月18日、記者団を前に明らかにしたと、複数の海外メディア(米New York Times米Wall Street Journal英Reutersなど)が報じた。

 Earnest報道官は、SPEの映画を巡る一連の出来事を米政府が「深刻な国家安全保障の問題として扱うべき」と見なしており、政府の上層レベルで大きな懸念になっていると説明。「高度なスキルを持つ行為者が始めた悪意ある破壊活動であることを示す証拠がある」と述べた。

 SPEはこの前日、新作映画「The Interview」の公開中止を発表した。同映画は北朝鮮の金正恩第1書記の暗殺計画を題材にしたコメディーで、12月25日に米国で公開される予定だった(関連記事:ソニーピクチャーズ、問題の映画「The Interview」を公開中止)。

 SPEは先月サイバー攻撃を受け(関連記事:ソニーピクチャーズにサイバー攻撃か、米メディアが報道)、未公開映画のファイルや最高幹部の電子メールなど大量の情報が流出。The Interviewを上映予定の映画館に「9.11を思い出せ」との文言を含む脅迫メールが送られ、多数の劇場が同作品を上映しない方針を表明していた。

 SPEが公開中止を正式決定した同日、米捜査当局は「北朝鮮がサイバー攻撃に中心的に関与している」と判断したと報じられた。なおSPEに対するサイバー攻撃の実行者はハッカー集団「Guardians of Peace」と見られている。

 Earnest報道官は、自身が北朝鮮に責任があるかを述べる立場にないとし、捜査中だと答えるにとどまった。対処については「様々な選択肢を検討中」だが、このような高度な行為者が米国に対して活動を行う場合、米国から反応を引き出して自分たちの有利に使おうと考えていることが多いため、慎重になる必要があると述べた。