クラウド会計サービス「MF クラウド会計・確定申告」などを提供するマネーフォワード(東京・港)は2014年12月19日、総額15億円の第三者割当増資の実施に合意したと発表した。引き受け先は既存株主であるジャフコのほか、新たにクレディセゾン、ソースネクストの2社、さらに三井住友海上キャピタル、電通デジタル・ホールディングス、GMO VenturePartnersのVC各社が運営する投資事業有限責任組合が出資する。

 増資の目的は、「開発やBtoBの営業体制、カスタマーサポートの強化」(マネーフォワード 経営企画本部 財務部長の金坂直哉氏)。クレディセゾンとは5月から業務提携をしており、クレジットカードの明細データを家計簿サービス「マネーフォワード」に取り込むことが可能になっていた。その結果、「マネーフォワードを使い始めるとカードの利用率が上がる」(同氏)といった効果が見られたという。資本提携に踏み込むことで、中小企業向けに法人向けクレジットカードなどと合わせて同社サービスの浸透を図る。

 ソースネクストとは、クラウドサービスのライセンスをパッケージ型で量販店などで販売する際のチャネル開発に取り組む。なお、今回の増資によって「テレビCMを展開する予定はない」(金坂氏)。

 増資合意の発表に併せて、マネーフォワードは今後の事業展開についても発表した。同社は10月から請求書などの管理サービス「MF クラウド請求書」の正式版を提供しているが(関連記事)、2015年3月下旬には給与計算業務の効率化を狙う「MF クラウド給与」の提供を予定している。さらにその後は経費精算サービス「MF クラウド経費」の提供を計画するなど、同社のMF クラウドシリーズを拡充していく。

 同社のBtoB向けサービスのユーザー層は、中小・零細企業が中心だが「年間売り上げが100億円規模の企業や、上場準備中の企業などにも利用が広がっている」(金坂氏)という。主力サービスのMF クラウド会計・確定申告のユーザー数は非公表。MF クラウド請求書は現在1万5000事業者が利用している。