写真1●「BOOSTER(ブースター)」を利用するプロジェクトオーナーたち
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写真2●記者会見するパルコの牧山浩三社長
写真2●記者会見するパルコの牧山浩三社長
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 ファッション専門店ビルを運営するパルコは2014年12月18日、ネットを通じて幅広い消費者から資金を調達する「クラウドファンディング」を開始すると発表した。ファッションやアート、音楽、出版といった領域で、事業者を指す「プロジェクトオーナー」と資金を出す「サポーター」をネットを通じて結び付ける。

 クラウドファンディングを手掛けるミュージックセキュリティーズと連携し、「BOOSTER(ブースター)」という名称のマッチングサイトを開設した。パルコの審査を通過したプロジェクトのオーナーは目標金額や調達期間を設定。サポーターはその期間内に、資金を拠出するという仕組みだ。既に6つのプロジェクトを始めており、今後1年間で数十プロジェクトを手掛ける予定だ(写真1)。

 例えば、新たな雑誌を創刊するプロジェクトであれば、オーナーは拠出金額に応じてサポーターに対し、ブースター限定版の雑誌や特別イベントに参加する権利を“対価”として提供する。目標金額に達しないと「プロジェクト不成立」になり、サポーターに全額返済する。

 パルコの牧山浩三社長はリアルな売り場を持っていたり、様々なインキュベーション(起業支援)を手掛けたりといった強みを生かせるため、「パルコの根幹となる事業だろう」と語った(写真2)。パルコによれば、ショッピングセンター事業者でクラウドファンディングを手掛けるのは国内で初めてという。