画面●GUARDIANWALLの設定画面
画面●GUARDIANWALLの設定画面
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 キヤノンITソリューションズは2014年12月18日、メールを介した情報の漏えいを防止するメールフィルタリング/アクセス制御ソフト「GUARDIANWALL」(画面)の製品ラインアップを拡充した。これまで仮想アプライアンス版の提供は標準版の「Standardモデル」に限られていたが、アーカイブ保存したメールの条件検索機能を持った上位版「Advancedモデル」についても、12月18日付けで仮想アプライアンス版を提供する。

 前提となるGUARDIANWALLとは、情報漏えい対策を目的としたメールフィルタリング/アーカイブソフトである(関連記事:キヤノンITが情報漏えいを防ぐ送信メール保留ソフトにiPhone画面を追加)。GUARDIANWALL自身がメール中継サーバー(MTA)となり、メールの中継経路上に配置して使う。キーワード文字列との一致や、「個人情報を含む」ケースなど、あらかじめ指定したフィルタリング条件に合致したメールの送受信を、保留または削除する。添付ファイルの自動暗号化機能や、メールのアーカイブ(保存)機能も提供する。

 動作形態としては、Linux上で動作するソフトウエア版のほかに、2014年5月からはVMware ESXi環境で動作する仮想アプライアンス版を提供している(関連記事:キヤノンITSがメールフィルタリング製品に仮想アプライアンス版)。ただし、これまでは、全部で二つあるエディションのうち、機能下位版(標準版)に当たるStandardモデルだけを仮想アプライアンス版として提供してきた。今回新たに、機能上位版に当たるAdvancedモデルについても仮想アプライアンス版を用意した。Advencedモデルでは、アーカイブ保存したメール(本文や添付ファイルの中身の文字列)に対して、条件を指定した全文検索ができる。

サーバー機能の分割で並列分散処理を可能に

 今回さらに、仮想アプライアンス自身の提供形態を変更し、複数台のサーバーで負荷を分散するなど、システムを柔軟に構成できるようにした。

 そもそもGUARDIANWALLは、MTA機能とメールのフィルタリング機能を提供する「検査サーバー」のソフトウエアと、1台または複数台の検査サーバーを一元管理する「管理サーバー」のソフトウエアで構成する。2014年5月に提供開始した従来の仮想アプライアンス版では、これら二つのサーバーソフトを一つの仮想アプライアンスに固めていた。今回これを二つの仮想アプライアンスに分割したことで、検査サーバーを複数台用意して並列動作させられるようになった。

 今回また、仮想アプライアンス版のバージョンを、2014年9月から提供しているGUARDIANWALLの現行版(Ver7.5.01)へと引き上げた。同バージョンでは、保留状態にしたメールを削除したり送信したりする管理画面について、従来のパソコン用の画面に加えてiPhone/iPad用の画面を追加した。

 仮想アプライアンス版の価格(税別)は、サブスクリプション型を採用している。Standardモデルは、最小構成となる50ユーザー時に、初年度が年額118万5000円、次年度以降が年額15万5000円。Advencedモデルは、最小構成となる50ユーザー時に、初年度が年額156万1000円、次年度以降が年額19万1000円。