韓国Samsung Electronicsが、Appleの決済サービス「Apple Pay」に似た独自のモバイル決済サービスの立ち上げに向けて、米国の新興企業LoopPayと協議を行っていると、複数の海外メディア米Wall Street Journal米Mashableなど)が現地時間2014年12月17日までに、米Re/codeの記事を引用して伝えた。

 LoopPayの技術を使ったモバイル決済システムは、2015年の前半に発売するGalaxyスマートフォンの新モデルに搭載される可能性がある。これによりSamsung製スマートフォンで実店舗での決済が可能になるという。

 LoopPayは米マサチューセッツ州バーリントンの新興企業。同社は「LoopPay Card」や「LoopPay Fob」といった小型機器を消費者に直接販売している。これらの機器にあらかじめクレジットカードなどの磁気ストライプ情報を記録しておき、店舗の決済端末に近づけてタップすると、カード情報が無線で送信される。このためカードを店舗の端末に直接通す必要がない。LoopPayのシステムは既存の決済端末の仕組みを利用しているため、Apple PayやGoogle Walletと異なり、使える店舗が多いという。

 Re/codeは事情に詳しい関係者の話として、SamsungとLoopPayは、Samsung製スマートフォンで動作するシステムのプロトタイプをすでに作成していると伝えている。ただし、両社の提携が最終合意に至ったかどうかは定かではなく、この先、交渉がまとまらない可能性もあるという。

 Wall Street Journalによると、Samsungは2013年5月に「Samsung Wallet」と呼ぶオンライン決済のアプリケーションを公開した。同社はこのアプリケーションのダウンロード件数が200万件に達したと発表しているが、3億台という同社のスマートフォン年間販売台数と比較すると規模は小さい。また同社は、Samsung Walletを実店舗での決済にも対応させる意向を示していたと、Wall Street Journalは伝えている。