写真1●Ingressプレイヤーを誘致する横須賀市の中吊り広告
写真1●Ingressプレイヤーを誘致する横須賀市の中吊り広告
京急線内に12月18日から提示する
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写真●特設ページ「STRATEGY BASE FOR INGRESS IN YOKOSUKA」
写真●特設ページ「STRATEGY BASE FOR INGRESS IN YOKOSUKA」
横須賀市の観光サイト内に設置する。監修には地元在住のIngressに詳しいブロガーらの協力を得た
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 神奈川県横須賀市は2015年12月18日、米Googleが無料で提供する位置情報を利用したスマートフォン(スマホ)ゲーム「Ingress(イングレス)」を利用した観光集客事業「イングレス in 横須賀」を始める。18日に行われた吉田雄人横須賀市長の定例記者会見で発表した。市が運営する観光情報サイト「ここはヨコスカ」内にIngress特設ページを設け、モデルコースなどを紹介するほか、明日19日から京急線内に中づり広告を提示する(写真1)。モデルコースの一つとして推奨する無人島、猿島に渡る連絡船の運賃をエージェント(Ingressのプレイヤー)に限り半額にするといったサービスも用意する。自治体によるIngressの観光活用は岩手県に続き2例目。今後はさらにこうした取り組みが増えそうだ

 市が用意するIngress特設ページ「STRATEGY BASE FOR INGRESS IN YOKOSUKA」(写真2)では横須賀市でIngressを楽しむモデルコースを設定。ページには「100以上のユニークハックが可能」といった記述もあり、Ingressの初心者だけでなく、上級者に対しても、横須賀市でIngressを楽しむ魅力をアピールする。モデルコースに指定した横須賀市沖に浮かぶ無人島猿島に渡る連絡船に関しては、運営会社からの協力を得て、通常1300円の運賃を、プレイヤーに限り半額の650円に割引するサービスも15年2月28日までの期間限定で実施する。

 モデルコースの設定などには、横須賀市在住でIngressに詳しいブロガーの堀正岳氏、サーバーシステム管理者のおおつねまさふみ氏らの協力を得ている。25日にはブロガー限定の体験イベントを実施する。冬期は週末しか運行しない猿島連絡船を特別に運航。今回設定したモデルコースを体験してもらうなどの内容を予定している。

 Ingressを利用した自治体の観光活用は、岩手県がことし9月に全国の自治体で初めて「岩手県庁Ingress活用研究会」を発足(関連記事:岩手県がスマホゲーム「Ingress」を観光振興などに活用)。11月には初のイベント(関連記事:50人強、7グループが盛岡街歩き、岩手県のIngressイベントは「大成功」)を実施して成功させ、来年2月にもイベントを企画(関連記事: 岩手県のIngress活用、次は来年2月に雪あかりイベントとコラボ)するなどしている。

 Ingressは米Googleの社内ベンチャーNiantic Labs(ナイアンテック・ラボ)が2013年11月から提供を始めた位置情報を利用した無料のスマホゲーム。緑(Enlightened)と青(Resistance)の陣営に分かれ、公共施設や旧跡や史跡、神社や仏閣、面白い石像、オブジェなど現実の存在に紐付けた「ポータル」と呼ぶ拠点を取り合い陣取りをする。全世界で既に800万以上のダウンロードがある。国内では今年7月のiOS版リリース以降、急速にプレイヤーが増えており、現在は本家米国に匹敵する数の利用者がいる。