英通信大手のBT Groupは現地時間2014年12月15日、英キャリア大手EEの買収に向けて独占的交渉に入ったことを明らかにした。BTは買収額125億ポンドを提示している。数週間のうちにデューディリジェンスを完了し、最終合意に達したい考え。EEを獲得することにより、モバイル戦略の加速化を図る。

 BTは、EEに共同出資するドイツDeutsche TelekomとフランスOrangeに現金と株式で買収資金を支払う。買収が成立した場合、Deutsche TelekomはBTの12%の株式を保有するほか、BT取締役会に1名派遣する資格を得る。Orangeは、BTの4%の株式を取得する。2014年6月末時点で、EEのモバイルサービス加入者は2450万人にのぼる。

 BTはかつてモバイル事業Cellnetを運営していたが、負債削減のために13年前に分社化した。その後、組織再編、収益回復に努め、テレビサービスなどを展開する中で、固定電話、携帯電話、高速データ通信、映像配信を組み合わせた「4プレイ」の重要性を認識した。

 モバイル市場への再参入にあたって、独自でモバイル事業を立ち上げることを考えていたが、数カ月前、既存のキャリアを買収する方針に変更したという(英Financial Timesの報道)。

 BTとEEが交渉中との噂は先月初めて伝えられた。その直前に、BTはスペインTelefonicaからモバイル事業O2を買収することで交渉中と報じられていた。O2の前身はCellnetで、Telefonicaが約10年前に177億ポンドで買収した(米PCMag.comの報道)。

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