米アイオワ州は、スマートフォンで提示可能なデジタル運転免許証を2015年に導入する見通しだ。地元紙「Des Moines Register」の記事を引用するかたちで複数の米メディア(PCWorldNPRWall Street Journalなど)が現地時間2014年12月12日までに報じた。

 同州は、スマートフォン上で運転免許証をデジタル表示するためのモバイルアプリケーションを2015年に無償リリースする。現在、iOSとAndroidに対応したアプリケーションを開発中という。運転免許取得者は、従来のプラスチック製免許証に加えて、デジタル版も希望できる。

 デジタル免許証は、交通違反の取り締まりの際などに警察官に提示するほか、空港でのセキュリティチェックでも使用できる。PINコードによるID証明も可能。「デジタル免許証の導入は、おそらく全米でアイオワ州が最初となる」と同州運輸局のPaul Trombino局長は述べている。

 デジタル免許証によって利便性は高まるが、プライバシーの懸念も指摘されている。対策として、警察官がスマートフォンで免許証を確認している際に、他のコンテンツを閲覧できないようロック画面と連係させる方法が考えられる。同州運輸局広報担当者は、ドライバーがスマートフォンを持ったままデジタル免許証を提示し、警察官がスマートフォンを手に取らずに電子的にスキャンする方法を例として挙げている。さらに偽造防止についても吟味する必要がある。