日本通信は2014年12月10日、「03」から始まる固定電話番号で通話できる格安SIMサービス「03スマホ」を販売すると発表した。1000台限定の商品で、同社の直販サイト「b-Market」だけで12月13日(土曜日)0時に発売する。

 MVNO(仮想移動体通信事業者)である日本通信は、携帯電話網と固定電話網を組み合わせながら一つの電話番号で場所を問わず通話できる「FMC(Fixed Mobile Convergence)フォン」を商品化する構想を掲げてきた。格安SIMの付加価値を高める狙いで、今回はその初の商品化だ。

 今後は、PBX(構内交換機)メーカーや固定電話を手掛ける企業など「様々なパートナーを募ってFMCの市場を立ち上げたい」(同社幹部)考え。つまり、今回の商品はFMCフォンの機能をアピールするためのテストマーケティングの意味合いが大きいという。

 今回の「03スマホ」は、NTTドコモの携帯電話網を使ったLTE(Long Term Evolution)通信ができるSIMカードとスマートフォンをセットで提供する。スマホに搭載したIP電話アプリと日本通信の網内に置いたIP交換機が連携することで、固定電話番号を使った通話を実現している。東京都区部で使われる「03」番号は、NTT東日本から仕入れた回線の番号を使っている。

 基本料金は3980円(税別、以下同じ)で、3Gバイトまで速度制限なしのパケット通信料と1200円分のIP電話通話料、端末の割賦代金が基本料金に含まれる。1200円分(通話時間で60分に相当)を超過した場合のIP電話の通話料は、発信先が固定電話か携帯電話かを問わず1分20円である。

 スマホ端末は韓国LG電子の「G2 mini」を採用した。端末の24回払いの割賦で、2年間未満で解約しても残金を支払う必要がある。また、サービス購入時には初回の手数料3000円が別途必要になる。

 日本通信は、「03フォン」とは別にPBXと組み合わせた法人向けのFMCフォンも試作しており、パートナー企業を通じた法人向けサービスも進行していると見られる。一般消費者向けも、ケーブルテレビ電話などと組み合わせれば、地域の「0AB~J」番号を使ったFMCフォンが商品化できそうだ。

■変更履歴
当初の記事では「日本通信が総務省に申請して割り当てを受けた番号を使っている」としていましたが、正しくは「NTT東日本から仕入れた回線の番号」でした。お詫びして訂正します。記事は修正済みです。[2014/12/15 16:30]