米連邦通信委員会(FCC)が現地時間2014年12月9日に発表した調査結果によると、2013年の米国における盗難事件10件のうち1件がスマートフォンに関するものだという。

 調査は、FCCの技術諮問委員会(TAC)が設置したモバイルデバイス盗難防止作業部会(MDTP WG:Mobile Device Theft Prevention Working Group)が実施した。人口1970万人をカバーする21の警察署からデータを収集し、米国全体での数値を推計した。

 2013年のスマートフォン盗難事件は、住民10万人あたり368.9件で、米国全体では年間100万台以上のスマートフォンが盗まれていることになる。

 ちなみに米消費者団体が発行するConsumer Reports誌の調査報告では、2013年のスマートフォン盗難事件は310万件で前年から2倍以上増加したという。これは住民10万人あたりに換算すると981件となり、MDTP WGのデータより2.7倍多い。

 米国ではスマートフォン盗難の増加と凶悪化が問題となっており、当局は抑止策として、盗まれたスマートフォンを操作不能にする「キルスイッチ」の導入促進に取り組んでいる(関連記事:米上院でスマホの「キルスイッチ」搭載を義務づける法案)。

 米Appleは2013年9月にiOS端末のロック機能「Activation Lock」を導入。2014年1~5月の「iPhone」スマートフォンの窃盗および強奪は、前年の同時期と比べそれぞれ29%と19%減少した。サンフランシスコでもiPhone強奪が38%減ったという。一方キルスイッチ機能を搭載していない韓国Samsung Electronicsの端末はいずれも盗難事件が増加した。

[発表資料(PDF文書)]