米Amazon.comは現地時間2014年12月9日、同社の電子商取引サイトに出品されるコレクターズアイテムについて、顧客が価格を交渉できる機能を追加したと発表した。当初は約15万点の商品を対象にするが、2015年には数十万点に拡大するとしている。

 新機能の名称は「Make an Offer」。この機能が使える商品は、スポーツやエンターテインメント関連アイテム、古銭・記念硬貨、美術品など。例えばAmazon.comのサイトには、スポーツ選手のサイン入りボールやユニフォーム、映画俳優のサイン入りポスター、ミュージシャンのサイン入りギター、歴史的人物の署名入り文書や手紙といった品物が並んでいる。

 Amazon.comによると、この機能の使い方は簡単。出品者は個々の商品についてこの機能を可能にするかどうかを選べる。顧客は商品の詳細ページで「Make an Offer」のボタンを選択し、希望する金額を入力して送信ボタンを押す。すると出品者にそのことを知らせる電子メールが届く。

 出品者は72時間以内に顧客に返答する。その際、顧客の金額に応じるか、拒否するか、新たな価格を提示するかのいずれかを選ぶ。こうして交渉がまとまれば、顧客は電子メールにあるリンクをクリックして商品を自分のショッピングカートに追加できる。

 この機能を使った価格交渉はオークション形式とは異なり、1対1で行われ、非公開となる。またその目的は値引きを可能にすることであり、顧客が当初の表示価格を上回る金額を支払うことはないという。
 
 Amazon Marketplace担当バイスプレジデントのPeter Faricy氏によると、同社が出品者に対して行ったアンケート調査では、その半数近くが顧客と価格交渉できる機能は結果的に販売増につながると考えている。同氏は、「Make an Offerは、実店舗や画廊などで普段行われている直接的な価格交渉をオンラインマーケットプレース環境で実現するものだ」と述べている。

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