ジャストシステムは2014年12月9日、iOS 8向けの日本語入力ソフト(サードパーティ製キーボード)「ATOK for iOS」をアップデートした。新バージョン「バージョン1.2.0」では、入力中の文字をカーソル位置に表示できる「カーソル位置入力機能」()を搭載したことが目玉となっている。

図●新機能「カーソル位置入力機能」
図●新機能「カーソル位置入力機能」
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 同機能は、いわゆるインライン入力機能ではなく、擬似的に再現した「インライン風」入力機能だという。インライン入力機能は、iOS 8の仕様としてサードパーティ製キーボードでは制限されており、ATOK for iOSも当然この制約を受けている(関連記事:iOS 8用日本語入力ソフト「ATOK for iOS」をさっそく触ってみた

 このようにOS仕様上の制約であるものの、製品リリース後に「インライン入力機能に対するユーザーからの要望が強かった」(同社)こともあり、「ATOK for iOS」側の動作を工夫することで近い動作を実現したという。

 ただし、あくまでも擬似的に実現している機能のため、

  • 入力中の背景が青くならない
  • 変換中は、キーボード上部の候補一覧の上に変換中候補が表示される
  • 文字入力中にタップなどでカーソル位置を変更すると、その時点で入力中文字列が確定される
  • 入力対象アプリによっては、正常に動作しない場合がある
などの制限があるとしている。

 実際にダウンロードして試してみたところ、カーソル位置に入力文字列が表示され、インライン風の入力方式を利用できることを確認できた(写真)。

写真●任意のアプリでインライン風入力が利用できる
写真●任意のアプリでインライン風入力が利用できる
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 新バージョンでは他に、「iPhone 6/6 Plus上で幅寄せのオン・オフを設定できるようにした」「キーボード上のATOKキーを長押しすることで設定(ATOKメニュー)を呼び出せるようになった」「英語QWERTYキーボードで確定キーを押したときに、自動的に空白を挿入しないように変更した」などの機能追加や改善・強化が図られている。