日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は2014年12月9日、高負荷でミッションクリティカルな用途に適した高性能サーバー機「Superdome」の新機種として、x86 CPUを搭載した「HP Integrity Superdome X」の販売を開始した(写真1)。汎用のLinux(Red HatおよびSUSE)が動作する。価格(税別)は2397万1000円からで、既存の「HP Integrity Superdome 2」(Itanium/HP-UX)と併売する。
HP Integrity Superdome Xは、高性能を追求した大規模SMP(対称型マルチプロセッシング)サーバーの新機種である。高さ18Uのシャーシに、CPU/メモリーボードの「セルブレード」(最大でXeon E7-2890 v2×2ソケット30コア、メモリー1.5Tバイト)を8基搭載し、全体で最大16ソケット240コア、メモリー12Tバイトのシングルイメージで動作する。nPars(物理パーティショニング)によって物理的に最大8台のサーバーに分割して使うこともできる。
SMP性能は、最大構成時(16ソケット)までリニアに向上するという。このためのハードウエア上の特徴の一つとして、キャッシュ整合性の維持などで発生するCPU間の通信を高速化するため、専用のチップセット「XNC2」を開発した(写真2)。全CPUがXNC2を介して通信することにより、CPU間通信のオーバーヘッドを削減する。これに対してQPI(QuickPath Interconnect)でCPU間をつないだ一般的なPCサーバーの場合、8CPUでは全CPUが直接通信できず、オーバーヘッドが発生する。
さらに、汎用のLinux(Red HatおよびSUSE)を動作させた際に16ソケットまでSMP性能がリニアに向上するように、Linuxにも手を入れ、OSSコミュニティに還元したとしている。これにより、同社がSuperdome X上での動作を保証している特定バージョン以降のLinuxであれば、高いSMP性能が出せるとしている。