ソニーのゲーム機「PlayStation」向けオンラインサービス「PlayStation Network(PSN)」が2014年12月8日(日本時間)、約2時間にわたって世界中でアクセス不能に陥った。現在、サービスは復旧している。

 複数の海外メディア(英Financial Times米Wall Street Journal米PCWorld米Forbesなど)の報道によると、ソニー・コンピュータ エンタテインメント(SCE)は、12月8日午前8時52分から11時18分までPSNのサービスがほぼ停止していたことを認めた。同社はサービス復旧を告げるとともに、「ネットワーク障害の原因も含めて引き続き調査している。これまでのところ、情報の漏えいや盗難といった報告は受けていない」と述べた。

 SCEの米国法人Sony Computer Entertainment America(SCEA)は、サービス障害が発生した際、PlayStationの公式Twitterアカウントから「我々は一部ユーザーが遭遇している問題を認識しており、解決に向けて取り組んでいる」とツイート。その2時間ほど前に「Lizard Squad」を名乗る集団が、「PSN Login #offline #LizardSquad」との犯行声明らしきコメントをツイートしている。

 Lizard Squadは先週、米Microsoftのゲーム機「Xbox」向けオンラインサービス「Xbox Live」がサービス障害に陥った際も、Twitterアカウントから犯行声明を出している。その際「this entire month will be entertaining(今月はひと月を通じておもしろいことになる)」とツイートし、他にも攻撃が行われることを示唆していた。

 また同グループは8月にもPSNに対する分散型サービス拒否(DDoS)攻撃を仕掛けたほか、SCE傘下のSony Online Entertainment(SOE)のJohn Smedley社長が乗った飛行機に爆発物があるとツイートし、FBIが捜査に乗り出す騒ぎを起こした。

 PSNはたびたびサイバー攻撃の標的となっており、2011年には7700万人分の個人情報が不正アクセスを受けた(関連記事:不正侵入を受けたプレイステーションネットワークからユーザー情報が流出)。漏えいした情報は1億件以上とも言われている。

 また先月末には、ソニー傘下の米映画会社Sony Pictures Entertainmentがサイバー攻撃を受け(関連記事:ソニーピクチャーズへのサイバー攻撃、北朝鮮が関与か)、100Tバイト以上のデータが盗まれたと伝えられている。しかしSony Picturesへの攻撃と今回のPSNのシステム障害を関連づける証拠は、見つかっていない。