ネットワールドは2014年12月8日、ベアメタル(ホワイトボックス)スイッチ(汎用技術で作られているネットワークスイッチ)の上で動作するLinuxベースのネットワークOS「Cumulus Linux」を発売した。これまで他の販売代理店を介して顧客に販売してきたが、今回、開発会社の米Cumulus Networksとの間で販売代理店契約を交わし、1次代理店として直接販売できるようにした。これにより、同社が2014年7月から販売している台湾のQuanta Computer製のベアメタルスイッチと合わせ、ハードウエアとOSの両方を同時に扱えるようになった。

 今回販売するCumulus Linuxとは、ベアメタルスイッチの上で動作する、LinuxベースのネットワークOSである(関連記事:汎用ハード/OSSでスイッチを構築、CTCがソフト「Cumulus Linux」を国内販売)。複数のメーカー製のスイッチで利用できるとしている。Debian Linuxベースで作られており、カーネル層ではL2/L3のネットワーク機能を提供する。この上のユーザーアプリケーション層で、より高度なネットワーク制御機能や、必要に応じてSDNコントローラーやクラウド運用ソフトなどが動作する。

 ネットワールドでは2014年7月から、ベアメタルスイッチのハードウエアとして、台湾のODM/OEMベンダーであるQuanta Computerの製品(写真)を販売してきた(関連記事:Cumulus Linuxが動くONIE対応のベアメタルスイッチ、ネットワールドが発売)。ところが、ベアメタルスイッチ上で動作させるCumulus LinuxなどのOSライセンスについては、別途これらを販売している他のベンダーから仕入れて顧客に提供していた。今回、Cumulus Linuxの1次販売代理店の1社になることにより、スイッチハードウエアとソフトウエア(Linux OS)の両方の自営保守サポートを提供できるようになった。今後、これまで提供できていなかった独自の保守サポートプログラムを提供していく予定という。

写真●Quanta Computerが開発したT1048-LB9(1Gポートを搭載したベアメタルスイッチ)の外観
写真●Quanta Computerが開発したT1048-LB9(1Gポートを搭載したベアメタルスイッチ)の外観

 Quanta Computerのスイッチのうち、ベアメタルスイッチとして利用できるモデルは3機種ある。(1)1GbEモデルは、T1000シリーズの一つである「T1048-LB9」(1GbE×48ポートおよび10GbE×4)。(2)10GbEモデルは、T3000シリーズの一つである「T3048-LY2R」(10GbE×48ポートおよび40GbE×4ポート)。(3)40GbEモデルは、T5000シリーズの一つである「T5032-LY6」(40GbE×32ポート)、---である。いずれも、ONIE(Open Network Install Environment)と呼ぶOSブートローダーの仕組みを利用して、OSの初回導入時やアップデート時に、ネットワーク(HTTP/TFTP)やUSBメモリーなどを介してOSイメージを入れ替えてブートできる。

 ネットワールドでは、Cumulus Linuxのライセンスとして、スイッチ1台当たり、1年間有効のライセンスと、3年間有効のライセンスを用意している。1年間有効のライセンスの販売価格(税別、参考価格)は、以下の通り。(1)「1Gライセンス」(1GbEポート搭載スイッチ向け)は、年額11万9000円から。(2)「10Gライセンス」(10GbEポート搭載スイッチ向け)は、年額17万円から。(3)「40Gライセンス」(40GbEポート搭載スイッチ向け)は、年額22万1000円から。

 なお、Quanta Computerのベアメタルスイッチとのセット価格(スイッチは買い取り、OSは1年間のライセンス)は、以下の通り。(a)1Gライセンスと1Gスイッチ(T1048-LB9)のセットは、66万8000円から。(b)10Gライセンスと10Gスイッチ(T3048-LY2R)のセットは、116万円から。(c)40Gライセンスと40Gスイッチ(T5032-LY6)のセットは、181万1000円から。