Sony Pictures Entertainmentの映画「The Interview」の公式サイト
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 ソニー傘下の米国法人Sony Pictures Entertainment(SPE)がサイバー攻撃を受けたとされる件で、北朝鮮が関与しているとの報道に対し、北朝鮮政府は現地時間2014年12月7日、関与を否定するとともに、サイバー攻撃を支持する内容の声明を発表した。北朝鮮国営通信社の報道を引用する形で複数の海外メディア(米New York Times米Newsweek英Reutersなど)が報じた。

 SPEは、11月24日にサイバー攻撃を受けたと報じられた。社内のコンピュータが乗っ取られ、画面には赤いどくろが薄笑いを浮かべたイラストと「Hacked By #GOP(GOPが乗っ取った)…(略)…要求に応じなければ盗んだSPEの内部データを世界に公開する」との文章が表示されたという(関連記事:ソニーピクチャーズにサイバー攻撃か、米メディアが報道)。攻撃者に関する情報はほとんどないが、「GOP」とはサイバー攻撃集団「Guardians of Peace」ではないかと指摘されている。SPEは公式声明で「システム障害があった」と述べるにとどまっている。

 サイバー攻撃は、SPEの新作映画「The Interview」が公開を間近に控えたタイミングで行われたとされている。同映画は、北朝鮮の金正恩第1書記の暗殺計画を題材にしたコメディーで、北朝鮮の国営放送は同映画を「戦争行為」と批判し、米国と同映画を上映する他の国に対して「無慈悲な報復」を主張している。

 朝鮮中央通信の記事によると、北朝鮮国防委員会の広報担当者は、Sony Picturesが「テロリストを教唆し、我々の最高指導者の尊厳を傷つける映画を制作している」と激しく非難。関与を否定しつつも、「攻撃は北朝鮮のシンパが米国の侵略主義に終止符を打つために起こした正義の行為である可能性がある」と述べた。

 また、「世界には北朝鮮の支持者が多数いる」とし、その中には「米国の悪事に対していっそう正義にかなった行動をとるかもしれないGuardians of Peaceも含まれる」と付け加えた。さらに、北朝鮮が関与しているとの「でたらめな噂」を広めていると韓国を非難している。