写真●directで対話しながらkintoneに日報を登録する例
写真●directで対話しながらkintoneに日報を登録する例
[画像のクリックで拡大表示]

 企業向けメッセンジャーサービス「direct」を提供するエルイズビー(東京・千代田)は2014年12月4日、既存のクラウドサービスや企業の業務システムとdirectを連携させるための開発・実行環境「daab(direct agent assist bot) SDK」を公開した。daab SDKにより、「Google Apps」や「Office 365」、サイボウズの「kintone」といったクラウドサービス、在庫管理などの業務システムのフロントエンドとしてdirectを使えるようになる(写真)。エルイズビーは自然言語解析技術を得意とするベンチャー企業である。

 directは、「LINE」のようなユーザーインタフェースで個人間やグループでメッセージをやりとりできるサービス。PCやスマートフォンなどマルチデバイスで利用できる。企業向けに特化しており、アカウントや利用状況の管理、SSLによる通信経路の暗号化や添付ファイルの暗号化、データのバックアップやエクスポートなどの機能を備える。また既読だけでなく、グループの中で誰が未読かを一覧表示したり、GPSで取得した位置情報を共有したりする機能もある。

 今回提供するdaab SDKは、bot(コマンド実行自動化プログラム)の標準的な開発フレームワークである「Hubot」をベースに拡張したもの。例えばdirectで「○○の在庫状況を教えて」というメッセージを送ると、botが在庫管理システムからデータを取得し、在庫数を教えてくれるといったシステムを開発できる。既存のサービスと連携する場合は、例えばdirectでの対話をkintoneに日報として登録したり、Googleカレンダーにスケジュールを書き込んだりといったことが可能となる。

 daab SDKは開発者登録をすることで無償で利用できる。directの料金は、10ユーザーで月額6000円。ユーザー数によって料金は異なる。directの導入事例もあり、ドン・キホーテや建設用仮設資材のキョーワなどが本部と現場のやりとりなどに利用している。