無線通信規格「Wi-SUN」の普及事業などを手掛けるYRP-IOTと、ベトナムのICT最大手であるFPTコーポレーション傘下のFPTインフォメーションシステム(FIS)は2014年12月1日、Wi-SUNの導入検証をベトナム及びその他の新興国で進めていく覚書を発効した。YRP-IOTがFISにWi-SUNに関する訓練や技術移管を実施し、同社が現地向けのアプリケーション開発などを担当する。

 Wi-SUNは、情報通信研究機構(NICT)などが主導する形で国際標準化した通信規格。通信距離は約500メートル、消費電力が低いのが特徴で、IoT(Internet of Things)用途での利用を見込む。国内では、東京電力がスマートメーターの無線通信方式として採用している。今回の覚書は海外普及への足掛かりとなりそうだ。

 一方、ベトナムのSI市場で過半のシェアを握るFISは、かねてよりセンサー分野に関心を持っており、関連ソリューションを開発してベトナム国内や海外市場に売り込みたい狙いがある。今回の覚書で、Wi-SUNに関する知見やノウハウの獲得を目指す。