「CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)は、携帯キャリアが絶対的に持っていない全国1444店舗のリアルショップ(TSUTAYA)と(T-POINTやT-SITEなどとの)グループシナジーがある。我々は1からライフスタイル提案のためにスマートフォンを作り、売り場を作る。それが(モバイルの世界の)今後の新たな風景になるのではないか」ーー。

 TSUTAYAなどを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は2014年12月1日、9月26日付けで携帯電話販売代理店のルートワン・パワーとの合弁会社として設立したCCCモバイルの事業説明会を開催。CCCモバイルの服部義一社長(現ルートワン・パワー社長)は(写真1)、CCCグループの本格モバイル参入となる新会社の目指す方向を、上記のように表現した。

写真1●CCCモバイルの説明会の様子。右端が服部義一社長
写真1●CCCモバイルの説明会の様子。右端が服部義一社長
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 この日、新会社CCCモバイルの方針として明らかにしたのは次の2点。一つは来春から東京・二子玉川、大阪・梅田の2店舗を皮切りに「TSUTAYA Mobile」のブランド名で、モバイルライフスタイル提案型店舗を展開する点、そして来秋をめどにオリジナルスマホを開発・販売することだ。

 前者について服部社長は、ジャンルごとに雑誌から専門書、絶版書籍までを一気通貫で取り揃えた代官山蔦屋書店の売り場構成を例に出しながら、同じような店舗展開をモバイル分野でも進めるとする。既にTSUTAYAの一部店舗で実験を進めており(写真2)、具体的にはケースやスピーカー、ヘッドホンなどのスマホ周辺機器、関連書籍、中古端末などを含めて陳列するような展開になりそうだ(写真3)。「CCCの本業はライフスタイルを提案すること。このような店舗構成をできる企業は日本では他にはないのでは」(服部社長)と、この方向に自信を見せる。

写真2●一部店舗で試験しているというモバイルライフスタイル提案型の店舗
写真2●一部店舗で試験しているというモバイルライフスタイル提案型の店舗
写真3●ケースやスマホグッズ、書籍、中古端末をセレクトし、売り場構成
写真3●ケースやスマホグッズ、書籍、中古端末をセレクトし、売り場構成
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 後者のオリジナルスマホの開発・販売については、「楽天など多くのプレーヤーが格安スマホ事業に参入しているが、他社の動向は意識していない。ライフスタイル提案のためにはオリジナルスマホが必要という結論になった」(服部社長)とする。

 特に求めているのが料金プランを含めたシンプルさだ。服部社長は自身が販売代理店を約20年間にわたって経営する中、携帯販売は「複雑怪奇でトラップだらけ」(同)とする。販売代理店の店員でも1〜3年の経験を積まないと満足に販売できない状況に対し、CCCモバイルが開発・販売するオリジナルスマホでは、シンプルで売りやすいモデルを目指すという。課金・保守はもちろん、コンテンツ開発、端末開発・調達、コールセンター業務も含めて垂直統合型の運営を目指す(写真4)。

 現在、同社は、多くの携帯電話事業者やMVNE(Mobile Virtual Network Enabler)、端末メーカーと交渉している最中であり、来秋の発売に向けて「一番合うものを選択したい」(服部社長)という。

 オリジナルスマホのサービスイメージとして、CCCグループが持つDVDなどのレンタル事業やチケット販売、書店、イーコーマスと密接に連携していくような利用シーンも紹介した(写真5)。

写真4●オリジナルスマホは垂直統合の運営を目指す
写真4●オリジナルスマホは垂直統合の運営を目指す
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写真5●オリジナルスマホのサービスイメージ
写真5●オリジナルスマホのサービスイメージ
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 このオリジナルスマホの名称については、2015年1月1日に先攻してWeb上で名称を発表するという。

[ニュースリリース:CCCモバイル、オリジナル・スマートフォンを企画、来年秋、全国のTSUTAYAで発売]