写真●日立ソリューションズ プロダクトソリューション事業部の石原繁樹事業部長
写真●日立ソリューションズ プロダクトソリューション事業部の石原繁樹事業部長
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 日立ソリューションズは2014年11月27日、同社がこれまで提供してきた情報漏洩防止ソリューション「秘文」の新ブランド戦略を発表した。「製品数が多すぎて選びにくい」「セキュリティ対策の目的に合わせて選びたい」といった顧客ニーズに応える。2015年春に製品体系を一新し、2016年度にはセキュリティ事業全体の売り上げ約200億円を目指す。

 現在の秘文は、約40の製品を「エンドポイント」「メール・Web」「クラウド・スマートデバイス」「ファイルサーバ」の4つのカテゴリーに分類して提供している。2015年春から提供する製品体系では、セキュリティ対策の目的ごとに「出さない」「見せない」「放さない」といった3つのカテゴリーに分ける。「出さない」「見せない」の製品は未然に情報漏洩を防ぎたいユーザー向けで、「放さない」は情報漏洩が起こった場合に、漏洩の拡大を防ぎたいユーザー向けとなる。

 日立ソリューションズ プロダクトソリューション事業部の石原繁樹事業部長(写真)は製品体系を刷新する理由として、「昨今、企業間の協業が必須になっている」ことを挙げた。従来は外部に持ち出す必要のなかった機密情報も、社外に持ち出さざるを得ないケースが増えている。その一方で「セキュリティの脅威や複雑性は増している」(石原事業部長)。新ブランド戦略で、顧客がセキュリティ対策製品に求める「分かりやすさ」のニーズに応える。

 今回は2015年春から提供する新製品の詳細を明かさなかった。これまで提供してきた秘文の約40製品も継続して提供するという。従来の秘文はライセンス購入型で提供していたが、新しい製品体系ではサブスクリプション型でも提供する。

 同社は12月26日に、遠隔から管理者がファイル閲覧を停止できる「秘文 Data Protection」を発売する。ファイルの作成者は、「閲覧型機密ファイル作成ツール」を使って文書ファイルをパスワード認証付きの保護ファイルにする。保護ファイルの情報は日立ソリューションズの「管理サーバー」に登録される。文書ファイルは無償の専用ビューアー「閲覧型機密ファイルビューア」で見られる。ビューアーは、閲覧時にサーバーと通信して認証する。管理者は、後からファイルの閲覧の可否を変更できる。

 同製品は、新コンセプトの中では「放さない」に分類されるという。提供価格はクライアントPC1台当たり年間4000円(税別)で、最小購入数は100ライセンスからとなる。