中国の電子商取引大手Alibaba Group(阿里巴巴集団)がインターネットテレビの分野に進出したと、米Wall Street Journalが現地時間2014年11月27日に報じた。

 Alibabaは中国の家電大手Haier Electronics Group(海爾集団)と提携し、インターネット対応テレビの販売を開始した。このテレビではAlibaba傘下のオンラインマーケットプレイス「Taobao(淘宝)」や、オンラインモール「Tmall(天猫)」を提供し、約20万種の商品を販売する。

 このほか、Alibabaは提携企業のエンターテインメントコンテンツを配信する。同社は今年7月、米国の映画・テレビ番組製作会社Lions Gate Entertainmentと提携しており、新たなテレビでは、「トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン Part2」といったLions Gateの映画作品を配信する。またカプコンの「ストリートファイター」、コナミの「ワールドサッカーウイニングイレブン」といったゲームも用意するとしている。

 テレビの種類は当初、42型、48型、55型の3種だが、Haierによると今後40型と32型も製品ラインアップに加える予定。テレビの購入者にはオンラインショッピングで使えるクーポンを提供するなどし、販売促進を図る。例えば価格が5998元(約11万5000円)の55型テレビには、2410元(4万6000円)相当のクーポンを付けるという。

 Wall Street Journalによると、Alibabaは昨年、中国のテレビメーカーSkyworth(創維)と共同でインターネットテレビを立ち上げた。だが、エンターテインメントコンテンツが不足していたことなどが理由で、成功には至らなかった。

 一方で中国では、多くのテクノロジー企業がこの分野に注目しており、インターネットテレビ市場は競争が激化しているという。例えば検索大手のBaidu(百度)は、メーカーと共同で自社のOSを搭載するテレビを市場投入した。スマートフォンで知られるXiaomi(小米科技)もスマートテレビを販売している(関連記事:Xiaomi、Baidu傘下の動画サイト「iQiyi」に3億ドルを出資へ)。