NECとサーバーワークスは2014年11月26日、Amazon Web Services(AWS)におけるDR(災害対策)ソリューションを発表した。NECの高可用性ソフト「CLUSTERPRO」とサーバーワークスのAWS運用自動化ツール「Cloud Automator」を組み合わせて実現する。(関連記事:サーバーワークスがAWS運用自動化ツール「Cloud Automator」をデモ

 今回のソリューションの概要は以下の通りだ。まず本番系と待機系のシステムをAWS上の別リージョンに配置する。本番系と待機系のシステムにはCLUSTERPROを導入し、待機系システムのインスタンスは通常時に停止しておく。

 Cloud Automatorを設定し、あらかじめ予定していた時刻のみ待機系を起動させる。例えば日次で夜間に起動する、といったことだ。待機系が立ち上がれば、CLUSTERPROの機能により両システム間のデータ同期が自動で始まる。具体的には仮想サーバーの「EC2」で利用できるストレージ「EBS(Elastic Block Store)」間でデータを同期する。同期は差分更新だ。データ同期が終わったらCLUSTERPROがCloud Automatorと連携し、待機系のインスタンスを再度停止する。

 これにより、万一本番系システムが被災したとき、待機系のシステムを起動すれば最後の同期時点のデータでシステムを復旧できる。「このソリューションであれば、東京リージョンとアジアパシフィック(シンガポール)リージョン間で、1時間当たり8GBのデータを転送できる。200GBのシステムで毎日5%の差分が発生したとすると、1日当たり1~2時間程度で同期が完了する計算だ。そのほかの時間は待機系システムのインスタンスを停止しておくため、安価にDRサイトを構築できる」(NEC)。

 NECとサーバーワークスはこのソリューションを共同で販促する。サーバーワークスはこのソリューションにより、今後3年間で150社、5億円の売り上げを目標としている。