米Appleのスマートフォン「iPhone」の今年第4四半期(10~12月)における販売台数は7150万台に達する見通しだと、複数の米メディア(AppleInsiderValueWalkSlashGearなど)が現地時間2014年11月24日までに報じた。

 これは、Apple製品の市場動向に詳しい台湾KGI Securitiesのアナリスト、Ming-Chi Kuo氏が予測したもの。7150万台という台数は、四半期ベースで過去最高を記録した2013年第4四半期の5103万台に比べて、40%多い。また前の四半期と比較すると82%増となる(関連記事:Appleの7~9月期決算はiPhone好調で増収増益、今期見通しも強気)。

 同氏によると、今年第4四半期、iPhoneシリーズの中で最も販売台数が多いのは4.7インチ型の「iPhone 6」で、全体の58%を占めるという。このあと、5.5インチ型の「iPhone 6 Plus」(21%)、そして「iPhone 5s」(12%)、「iPhone 5c」(6%)、「iPhone 4S」(2%)が続くとしている。このうち6 Plusは需要に対し供給量が不足している。このことは6 Plusへの高い需要だけでなく、サプライヤーが製造上の問題を抱えていることを示していると、Kuo氏は指摘している。第4四半期のiPhoneの業績は、サプライヤーの生産能力に依存するところが大きいという。

 一方で2015年第1四半期(1~3月)は、反動でシリーズ全体の台数が前の四半期比で30.9%落ち込むという。Kuo氏が予測する同四半期のiPhone 6の販売台数は前四半期比48.1%減、6 Plusは同32.3%減、5sは同16.5%減。これに対し、5cと4Sはそれぞれ77.3%、58.2%増えるという。5cはディスカウント価格が需要を喚起し、4Sは新興国市場で販売が伸びると同氏は見ている。

 ただし、5cと4Sについては、Appleが業務の効率化を図るため、やがて販売を終了すると見られている。これにより、iPhoneシリーズはすべてのモデルが指紋認証機能「Touch ID」を搭載することになる。

 Appleは今年10月に発売した「iPad Air 2」と「iPad mini 3」にもTouch IDを搭載した。今後iPadの製品ラインアップも変更され、Appleが販売するすべてのモバイル端末はTouch IDを搭載し、決済サービス「Apple Pay」に対応すると、Kuo氏は予測している(関連記事:Touch ID搭載の「iPad Air 2」と「iPad mini 3」、来週後半に出荷開始)。