写真●第1号機種であるXC 720XDの外観
写真●第1号機種であるXC 720XDの外観
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 デルは2014年11月20日、仮想サーバー環境の構築に特化した物理PCサーバー機「XC」シリーズを発売した。特徴は、複数台のサーバー機にまたがった分散ファイルシステムを実現するOSソフトウエアにより、CPU性能とストレージ容量をスケールアウトできること。中核機能をなすOSソフトウエアは、米デルが米ニュータニックスからOEM(相手先ブランドによる生産)提供を受けたものである。

 XCシリーズは、米ニュータニックスが開発/販売している仮想サーバー環境向けのアプライアンスサーバー機「Virtual Computing Platform」(VCP)と同じOSソフトウエアを搭載している(関連記事:Nutanixがスケールアウト型の仮想サーバー基盤にオールSSDのハイエンド機)。VCPの購入を検討しているユーザーから見れば、VCPとXCシリーズを合わせて、ハードウエアの選択肢や販売チャネルの選択肢が広がったことになる。

 機能はVCPと同様である。外部接続ストレージを使わず、内蔵するローカルストレージ(SSD/HDD)を使って、複数のサーバーにまたがった分散ファイルシステムを構成する。この仕組みにより、サーバーの台数を増やすスケールアウトによって、CPU性能とストレージ容量をともに拡張できる。

 仮想サーバー環境となるサーバー仮想化ソフト(ハイパーバイザー)としては、VMware ESXi 5.5またはHyper-V(Windows Server 2012 R2)を選択する。分散ファイルシステムを実現するストレージソフトは、仮想サーバーの1台にインストールしてあり、ノードにまたがったストレージプールを構成するとともに、ノードの内部にある他の仮想サーバーから見たネットワークストレージとして機能する。

アプリケーション負荷に応じて5モデルを用意

 XCシリーズは、第1号機種として、2ソケット、2Uラックマウント型サーバー機である「PowerEdge R720xd」をベースにした「XC 720XD」を用意した。VDI(仮想デスクトップ)やデータベースサーバーなどの用途に応じて、CPUや内蔵ストレージ(SSD/HDD)の構成を変えた全5モデルを用意している。価格は個別見積もり。

 例えば、低負荷アプリケーション向けの「XC720XD-A5」は、CPUがXeon E5-2620 v2、SSDは200Gバイト×2、HDDは1Tバイト×1。一方、大規模データベースサーバーなどの高負荷アプリケーション向けの「XC720XD-C7」は、CPUがXeon E5-2690 v2、SSDは800Gバイト×4、HDDは2Tバイト×8。