米Googleは、デジタルコンテンツストア「Google Play」を通じて、中国本土の開発者がAndroid向けアプリを販売できるようにする。Google Playの製品マネジャー、Ellie Powers氏が現地時間2014年11月19日にAndroid開発者ブログで明らかにした。

 Google Playは現在、中国本土からはアクセスできず、同国の消費者は同ストアでアプリなどを購入できない。だが同社は、Google Playの開発者向けサイト「Developer Console」だけは利用できるようにする。これにより、同国の開発者は中国以外の消費者者に向けて自身の有料アプリを配信できるようになる。アプリ内課金やサブスクリプションといった販売方法も選べるという。

 Googleは2010年に、中国からのサイバー攻撃や、中国当局から強要されている検閲が耐えられない、同国本土で提供していた検索サービスを停止。サーバーを中国本土とは法制度が異なる特別行政区の香港に移し、香港経由で本土向けサービスを提供している。しかし、それ以来同社サービスの多くは時折、中国本土からアクセスできなくなっており、Google Playの中国版もいまだない。

 米Wall Street Journalが11月20日に確認したところ、Google Playの開発者サイトにはまだアクセスできない状態。同紙はGoogleに対し、いつ同サイトが中国本土からアクセスできるようになるのか、今回の動きが同社の中国事業の進展につながるのか、という質問をしたが、Googleから回答は得られていないという。

 なお、米PCWorldによると、中国本土の開発者はこれまでGoogle Play通じて無料のアプリを配信することはできた。だが、中国本土の住所や銀行口座では、有料アプリの登録ができなかった。また香港や米国などに事務所を構える規模の大きな中国企業は、これまでも有料アプリの国外配信が可能だった。今回の措置は、小規模な企業や個人の開発者に向けたものだとPCWorldは伝えている。

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