特許使用料の支払いを巡り米Microsoftが韓国Samsung Electronicsを相手取って起こした訴訟について、米ニューヨーク州南部の連邦地方裁判所はSamsungの延期申請を退けた。英Reutersが現地時間2014年11月18日に報じた内容によると、Samsungは中国の香港で仲裁手続きが進められている間、裁判を中断するよう求めていたが、同地裁のJed Rakoff判事は「仲裁手続きに関わらず裁判を続行する」と述べた。

 この訴訟は、Microsoftが2014年8月に提起したもの(関連記事:MicrosoftがSamsungを提訴、Android端末のライセンス料未払いで)。MicrosoftとSamsungは2011年9月に法的拘束力のあるクロスライセンス契約を締結し、Samsungは同社が製造するAndroid端末についてMicrosoftに知的資産の使用料を支払うことで合意した(関連記事:Microsoft、「Android」端末対象にSamsungとも特許ライセンス契約)。Microsoftは同社の特許がAndroidに使われているとして、SamsungをはじめとするAndroid端末ベンダーからライセンス料を徴収している。しかしMicrosoftが2013年9月にフィンランドNokiaの携帯端末部門を買収する計画を発表すると、Samsungは同買収が両社間の契約条件に反するとの理由でライセンス料の支払いを停止した。

 Samsungは最終的にライセンス料を1年遅れで納めたが、支払い遅延の利子は払っていない。Microsoftは、Samsungに対して690万ドルの支払いを命じるよう裁判所に求めている。なお、裁判所が公開した資料によると、Samsungが支払った年間ライセンス料は10億ドル超にのぼるという(関連記事:Samsung、Microsoftへの年間ライセンス料は10億ドル超)。

 一方、SamsungはMicrosoftのNokiaデバイスおよびサービス部門買収が、2011年に締結した契約に違反すると主張し、国際商業会議所の国際仲裁裁判所香港国際仲裁センターに仲裁を申し立てた。

 Rakoff判事は今回の判断に至った理由を明らかにしなかったが、「将来のある時点で説明する」としている(米CNETの報道)。