韓国Samsung Electronicsは来年販売するスマートフォンの製品種を25~30%減らす方針だと、米Wall Street Journal英Financial Timesなどが現地時間2014年11月18日に報じた。

 ニューヨークで開催した投資家向けイベントで同社のIR責任者、Robert Yi氏が明らかにした。またSamsungの広報担当者も11月18日にYi氏の発言を確認したという。

 Samsungの狙いは低・中価格帯スマートフォンの製造コスト削減。英Reutersによると、同社は2014年7~9月期決算の電話会見で、低・中価格帯端末の製品ラインアップを見直す方針を示していた。Samsungはこれら端末の価格競争力を高めたい考え。

 その背景にはXiaomi(小米科技)をはじめとする中国メーカーが低価格ながら、より高品質の製品を市場に投入し、Samsungのシェアを奪っていることがあるとWall Street Journalは伝えている。Samsungは競合企業に対抗するために、販売価格を抑えながらも利益の拡大を目指す。低・中価格帯モデルでは共通部品を増やすなどして、スケールメリットを生かすと同社モバイル部門の幹部は話している。

 Samsungの今年7~9月期の業績報告(PDF書類)を見ると、IM部門(ITとモバイル通信)の営業利益は1兆7500億ウォンで、前年同期の6兆7000ウォンから74%減少した。

 同部門の営業利益率は7%で、前年同期の18%から大幅に低下。Wall Street Journalによると、Samsungのスマートフォン事業の営業利益率は10四半期連続で15%を超えていた。これに対し7~9月期の営業利益率は、Galaxyの初代機をリリースする前に当たる2008年末以来の最低水準。

 Samsungは新たな目標として、2桁台の営業利益率を掲げているが、来年は10%を下回ると見るアナリストもいるという。Xiaomi、Huawei Technologies(華為技術)といった中国メーカーとの競争が激化することがその理由だとWall Street Journalは伝えている。