米Appleは現地時間2014年11月17日、中国向け「App Store」での支払方法に、中国China UnionPay(中国銀聯)のクレジットカードおよびデビットカードを追加したと発表した。

 AppleによるとUnionPayは中国で最も利用されているカードで、世界における発行枚数は45億枚以上という。

 Appleインターネットソフトウエアおよびサービス部門担当上級バイスプレジデントのEddy Cue氏によれば、UnionPayカードを用いた決済方法は、中国のユーザーから最も多い要望の1つだった。中国はAppleにとって、すでにアプリケーションダウンロードで世界第2位の市場となっており、「わずか1回のタップで驚くほど便利にお気に入りのアプリケーションを購入できる手段を提供する」としている。

 UnionPayとの提携により、Appleはほぼ中国全土に浸透している重要なパートナーを持つことになり、米GoogleのAndroidに対してひとつ優位に立つことができると、米New York Timesは報じている。またAppleの決済サービス「Apple Pay」の中国における展開については、導入意向のある小売り販売業者を探す必要がある上、規制当局の承認を得るのが難しいことを同メディアは指摘している。

 Apple Payを巡っては、中国Alibaba Group(阿里巴巴)のJack Ma(馬雲)会長が、Apple Payとの提携に関心を示す発言をしたことが先月報じられた(関連記事:AlibabaのMa会長、決済事業におけるAppleとの提携に関心)。

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