沖電気工業は2014年11月13~14日に開催した年次イベント「OKI PREMIUM FARE 2014」で、現金やキャッシュカードを扱える小型端末を電気自動車(EV)に搭載した「超小型移動店舗」のデモを展示した(写真1)。主に災害地での臨時店舗や高齢者向けの巡回店舗としての利用を想定しており、「CRMソリューションやオムニチャネル戦略の一環として、顧客との接点を増やしていく」(同社ソリューション&サービス事業本部長の波多野徹執行役員、写真2)狙いがあるという。

写真1●沖電気工業が展示した超小型移動型店舗。搭載する小型端末で記帳や現金入出金などできる
写真1●沖電気工業が展示した超小型移動型店舗。搭載する小型端末で記帳や現金入出金などできる
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 トヨタ車体が開発するEV「COMS」に搭載する小型端末は、通帳への記帳、紙幣の入出金、小型カードリーダ―によるキャッシュカードの読み取り、などができる。GPS車載端末も搭載し、位置情報の管理による盗難対策も施す。

写真2●沖電気工業ソリューション&サービス事業本部長の波多野徹執行役員
写真2●沖電気工業ソリューション&サービス事業本部長の波多野徹執行役員
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 超小型移動店舗の提供価格は約500万円を想定しており、バスやトラックなど利用する従来型の移動店舗に比べて低コストで導入できる。2015年度中の実用化を目指す。

 沖電気工業の波多野執行役員は、同社の強みとして「ATMや駅の発券端末などを開発・提供してきたノウハウを生かして、顧客との接点を増やせる」ことを挙げる。2016年度には、金融や製造業向けのシステムソリューションやATMの運用監視サービスなど含むソリューション&サービス事業の売り上げ1000億円を目指す。