東芝と米シスコシステムズは2014年11月13日、IoT(Internet of Things)分野における協力関係の構築に関する協議を開始することを発表した。両社は「製造」「交通・運輸」「スマートシティ」などにおけるIoTの共同研究やソリューション開発、事業化の可能性を検討する。
「東芝は社会インフラ関連の分野の知見と、そこで使われるセンサーや機器の技術を持っている。ネットワークに強いシスコと組むことによって、我々が提唱する『Human Smart Community』の実現が早まると考えた」。東芝 クラウド&ソリューション社 副社長の下辻成佳執行役常務は、同日にシスコが開催した記者発表会で、協議開始に至った理由をこう説明する。
シスコは同日、東京の同社オフィス内に「Internet of Everything Innovation Center Tokyo」を開設した(写真1)。同社が推進するIoT戦略「Internet of Everything(IoE)」に沿ったソリューションの開発を推進する拠点で、東京が7都市目となる。
同社は今後10年間の累積で、IoEが世界では約19兆ドル、国内では約8700億ドルの経済価値(生産性向上や新しい価値)を創出すると予測(写真2)。サーバーやネットワーク機器、末端のセンサーなどに近い場所でインテリジェントな処理を実行する「フォグコンピューティング」装置などを組み合わせたIoEソリューションの提供に力を入れている。
シスコは、パートナー企業と共同で構築した新しいIoEソリューションを紹介する場や、IoE関連でのパートナーとの協業や研究機関との共同研究を推進する拠点としてIoE Innovation Center Tokyoを活用していく(写真3~5)。